定食屋にて
ふたつ隣に座った80代くらいのおばあちゃんが、「定食ごはん大盛りでおねがいできますか?」
店主は一瞬怪訝な顔をしたが、「はい」
と言って、大盛りの野菜炒め定食が出てきた。
もう腰も曲がっているおばあちゃんが、そんなに食べれるのか?と思った。
どんぶりにすごい量のごはんが入っている。
ジロジロ見ないようにしながらも気にしていたら、おばあちゃんは、どこか申し訳なさそうにしながら、バックからタッパーを取り出した。
そして、店主の顔色を伺いながら、タッパーにごはんとおかずを詰めていた。
この店は、ごはん大盛り無料のお店。おかずもすごい量の店だ。
しかし、張り紙に、
「当店持ち帰りはできません」
と書いてある。
帰って何回かに分けて食べるのだろうか。
店主にばれないかな💦
と心配になりながら店主を見ると、一生懸命にタッパーに詰めているおばあちゃんを完全に認識してた。
が、見てみぬふりをしている。
おばあちゃんは、ほんの少しのおかずとごはんを食べて、残りは全てタッパーに詰めた。なんとかばれていないと思っているようだ。
やがておばあちゃんが会計をして、私も後ろに並んだ。
おばあちゃんが帰る時、店主が声を掛けた。
「おばあちゃん、またいつでもおいでね。」
おばあちゃんは泣きそうな顔で頭を下げていた。
粋な店主に感動。
やさしくもせつなく悲しい空間だった。
きっとおばあちゃんは食べる事に一苦労しているんだろう。あの量だったら2日くらいはもつのかな。
こんな世の中に誰がしたんだ。