「ヤマダ・エディオン連盟」は家電量販店"合併ドミノ"を引き起こすのか!?
とはいえ、商品を自ら製造することには、相応のリスクもあるはずだ。メーカーのマーケターとしてこれまで780品目以上の商品開発に携わってきたという前出の渡辺氏は次のように語る。 「結局、製造ロットはそのまま価格に反映されますから、店舗数が多くなければ良い商品は造れません。その意味では、今回のヤマダHDとエディオンの合併は、競争力のあるPB商品を展開していくなら、非常にいい選択だと思いますよ」 近年、PBに活路を見いだそうとする業種は、家電量販店だけではない。ドラッグストアやコンビニ、スーパーがPBを展開するのは珍しくないし、最近ではドン・キホーテやニトリでもオリジナルの家電を取り扱っている。渡辺氏が言う。 「これも将来への危機感があればこそでしょう。独自の商品を開発して差異化しなければ、早晩やっていけなくなることを理解しているのだと思います。特にドン・キホーテは、定期的にユニークな商品を売り出してヒットさせていますよね。 例えば今夏リリースしたコンプレッサー式かき氷機は、水からかき氷を作れる調理家電で、オレンジジュースを入れてスイッチを押せば、オレンジ味のかき氷がシャリシャリ出てくるんです。夏場の酷暑もあり、きっと早々に完売するでしょう。こういう発想力は、ドン・キホーテの大きな強みです」 家電量販店からすれば、ヤマダHDとエディオンの合併よりも、販売力のあるドン・キホーテのほうが脅威なのかもしれない。 【業界再編の先に大リストラが起こる】 なおヤマダHDとエディオンは、順当にいけば2027年10月に持ち株会社を設けて、それぞれを完全子会社化する予定。当面はヤマダデンキとエディオンの看板はそのまま残すという。 「今回はどちらもトップが創業家だから、話が早かったですよね。いわゆるサラリーマン社長に代替わりしていたら、これほどスムーズに話はまとまらなかったでしょう」(鈴木氏) また、記者会見ではヤマダホールディングスの山田昇CEOが、持ち株会社の取締役を同数とする対等合併であることを強調していたのも印象深い。 「要はより大手であるヤマダ側の支配ではないことが重要で、あくまでPB強化のための経営統合であるというスタンスの表れだと思います。どちらも歴史のある企業だけにこれは非常に重要なメッセージで、本田技研工業と日産自動車のときもそういう視点があれば破談になることはなかったかもしれませんね」