(20)熱の釣合(別形式機)
火室内へ投入された石炭の有する熱量が、実際缶水に伝達されるまでには種々の損失を伴うもので、これらの熱量関係を図示すると第163図のごとくなる。
すなわち図中 CO、水分、シンダー、未燃炭およびその他の損失は、せっかく燃焼すべかりしものが、完全燃焼せずして損失となるのであるから、燃焼効率に参入される損失であり、輻射、煙室ガス等による熱損失は、発生した熱量が缶水に伝達されずに逃げるものであるから、伝熱効率に参入さるべき損失である。
これらの関係は石炭の種類、機関車形式、焚火の巧拙等により相違する。同図はC11形式に夕張切込炭を使用した場合における、試験台試験の成績である。
改訂増補 機関車の構造及理論〔下巻〕終
(ロ)石炭消費量
石炭消費量は缶効率の関係で、缶圧16キロ/平方センチメートルの場合よりも14キロ/平方センチメートルの場合の方が、かえって石炭消費量が少ない成績を示している。これは同一出力の場合、低圧力の方が蒸気消費量多く、通風状態良く燃焼効率の良好なりし事が原因しているらしい。
故に吐出ノズルの口径を変え、燃焼効率を同一程度に引き上げ得るならば、蒸気消費量の少ない高圧力の方が、燃料節約にもなるものと考えられている。
第159および160図より、同一指示馬力に対する場合に付き、動輪回転数別の石炭消費量を比較すると、第161および162図のごとく、16キロ/平方センチメートルの場合の方がやや多い事になる。
(14)動輪回転数と平均有効圧力
締切別の動輪回転数と平均有効圧力との関係は、第145図のごとくで、同一締切でも動輪回転数が増加すると、蒸気の供給がこれに伴わず平均有効圧力は低下する。
第145図から平均有効圧力を求める式は、次のごとくなる。
缶圧16キロ/平方センチメートルの場合
10%締切の場合・・・・・・4.005―0.009456n
20%締切の場合・・・・・・7.104―0.01456n
30%締切の場合・・・・・・9.680―0.01904n
40%締切の場合・・・・・・11.328―0.02136n
n =動輪回転数(毎分)
(15)動輪回転数と指示牽引力および同馬力
シリンダー内の平均有効圧力がわかれば、シリンダーや動輪等の関係寸法から、指示牽引力を算出することができ、これを図示すると第147~149図のごとくなる。
(9)過剰空気とCOの量
この関係は第138図のごとくで、本線試験の場合と若干相違し、過剰空気50~60%でないと CO の量がゼロにならない様であるが、過剰空気は大体40%内外欲しいことがわかる。もちろんこれらは使用石炭によっても相違するものと考えねばならぬ。
(10)燃焼率とシンダーの発生
第139図に示したシンダー発生量は、煙室内に残留された量と、煙突外部のシンダー採取装置で収集したものとの合計であって、その発生割合は燃焼率の増加に従って増し、煙突外に噴出される量は、いっそう増加する傾向を示している。
(11)燃焼率と相当蒸発力
燃焼率と相当蒸発量との関係は第140図のごとく、燃焼率の増加に従ってその値は減少する。しかして高圧力の場合は低圧力の場合よりも、いく分低い値を示している。これは同一出力に付いては排気圧力が相違し、燃焼状態に差異のあった結果と思われる。
(6)動輪回転数と蒸気消費量
動輪回転数が増加すると、蒸気消費量も第135図のごとく増加するが、その増加の傾向は回転数の高くなるに伴って低率となる。すなわち速度が高くなるに従って同一締切であっても、シリンダー内に送り込まれる、一行程当たりの蒸気量が漸次減少する事がわかる。
(7)燃焼率と過剰空気
燃焼率が100~300キログラム/平方メートル/時付近では、過剰空気の量に相当の変化があるが、これは通風力のところでも述べたごとく、例えば燃焼率は同一であっても締切の相違する場合は、当然通風力が相違するもので、ことに蒸気吐出の瞬間的には相当異なるものと考えられ、この影響が現れたものであろう。
(8)燃焼率と燃焼ガス
燃焼率と燃焼ガス( COとCO₂ )の関係は、第137図のごとくであるが、この場合も燃焼率100~300キログラム/平方メートル/時付近では、実績の各点がかなりの相違を示しているが、これも過剰空気の場合と同様、締切の大小に原因するものと考えられる。
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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