この前、四谷くんとぶらぶら散歩していた時の事。

「分子ガストロミーは、最初は料理過程を科学的に調査・研究する分野だったけど、だんだんその研究結果をアートな食事に応用することが増えて、今や『むっちゃ手の込んだ面白いメシ』を指すようになってきた」ことについてあれこれ話していたところ、りっぱな神社にたどり着いたので入ってみました。こんなところに神社あったんや。分子ガストロミーのお導き。

とてもきれいに清掃された境内、賽銭箱の前に立つと、全国の神社で見かけるあの「ちゃんとしたおうちのお姉さん」の二礼二拍手一礼のパネルがありました。

わかりますかね。あの長い髪をみつあみのように後ろでまとめて、前髪をすっきりさせたヘアスタイル:品のいいコートとスカートを着用したあのお姉さん。うつくしい立ち姿で参拝を見せてくれる彼女。

気分が高まり、「わーあのお姉さんや!」と声に出したところ、

私の口からガムが飛び出しました。

「やっば」と思ってガムをキャッチしようと左手を伸ばした矢先、

手のひらでガムを打ってしまい、ガムは右へと放物線を描きました。

これぞガムテニス・・・


ガムを即座に拾い上げ、隣にいた四谷くんに「わ!ガムテニスしてもうた!こんなん初めてや!」と興奮気味に伝えていると、四谷くんが私の腕をひき、賽銭箱の前からそっと離れた場所へと移り、

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「まずはけようか」

静かにこう言いました。

社殿の前には数人でしたが人がおり、その場にとどまって、意味の分からない「ガムテニス」などで盛り上がってる場合じゃないと諭されたのです。


「まずはけようか」


みなさんは、同い年から冷静にこう言われたことはありますでしょうか。


「まずはけようか」


命令口調ではなく、「おまえも落ち着いて考えたら、こうしないといけないことくらいは分かるよな?」を含んだ語調。


すごく恥じ入りました。



恥じ入る一方、ガムテニスという事実は捨て置けず、「ガムテニ」と略してその日ずっとこすりつづけはしました。