アメリカ当局から「アジア最大の国際犯罪組織のひとつ」として制裁を受けているカンボジアの複合企業の幹部とみられる44歳の容疑者が都内の区役所にうその転入届を提出したなどとして逮捕された事件で、容疑者が「高度専門職」と呼ばれる5年間の在留資格で出入国を繰り返していたとみられることが捜査関係者への取材で分かりました。警視庁は日本での活動の実態について捜査を進める方針です。
キプロス国籍で住居不詳の会社経営、フー・シー容疑者(44)ら3人はことし4月、東京 中央区の区役所にフー容疑者が区内に引っ越したとするうその転入届を提出し、受理させたなどとして今月、電磁的公正証書原本不実記録などの疑いで警視庁に逮捕されました。
捜査関係者などによりますと、フー容疑者は東京 千代田区にある会社の代表取締役を務めていますが、カンボジアに拠点を置く複合企業、「プリンス・ホールディング・グループ」の幹部とみられるということです。
このグループは国際的なオンライン詐欺を繰り返し、アメリカ当局から「アジア最大の国際犯罪組織のひとつ」として制裁を受けていて、グループのチェン・ジー会長がことし1月、カンボジア政府に拘束され、中国に身柄を引き渡されています。
警視庁のその後の調べで、フー容疑者が、経済の発展などに寄与することが見込まれる専門的な能力を持つ外国人のために設けられた「高度専門職」と呼ばれる在留資格で日本に入国していたことが捜査関係者への取材で分かりました。
在留期間は5年間で、容疑者は遅くとも3年ほど前から出入国を繰り返していたとみられ、今回は去年10月から日本に滞在していたとみられるということです。
警視庁はうその転入届が出された詳しいいきさつを調べるとともに、日本での活動の実態について捜査を進める方針です。
調べに対し、フー容疑者は「住居の異動については代理人に任せていた。日本の永住権を得るため、住民票を東京に移した」などと供述し、ほかの2人は容疑を否認しているということです。
「高度専門職」在留資格とは
「高度専門職」は、日本の学術研究や経済の発展に寄与することが見込まれる、高度の専門的な能力を持つ外国人のために2015年に設けられた在留資格です。
出入国在留管理庁のホームページによりますと、受け入れを促進するため、ほかの一般的な就労資格よりも活動制限が緩和されているということです。
捜査関係者などによりますと、フー容疑者の在留資格は「高度専門職1号」と呼ばれるもので、学歴や職歴、年収などが一定の水準に達した人に付与されます。
在留期間は5年間です。
さらに「1号」の在留資格で一定期間、日本に在留するなどの条件を満たした外国人は、▽在留期間が無期限となる「高度専門職2号」に移行したり、▽永住許可申請に必要な在留期間を短縮する優遇措置を受けたりすることができるということです。
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