「はさみで足を切断」療養病院めぐる論争…韓国の現役医師「信じ難かったが複雑な事情があった」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.06.25 14:37
韓国・仁川(インチョン)のある療養病院で、入院患者の足を切断した後、誤って廃棄した事件に関連し、現役医師が「医療スタッフが患者を見放したのではなく、自分たちにできる範囲で最善を尽くそうとした可能性についても考える必要がある」との見解を示した。
医師で作家でもある議政府(ウィジョンブ)白(ペク)病院家庭医学科のヤン・ソングァン科長は23日、自身のフェイスブックで「最初に『療養病院足切断事件』のニュースを聞いた時、私も信じ難かった」とし、「『どうして手術室でもない病室で、それもメスではなくはさみで足を切断できるのか』というのが、他の医師たちも含めた率直な反応だった」と明らかにした。
この事件は10日、仁川市延寿区松島洞(ヨンスグ・ソンドドン)のリサイクル施設で、血の付いた包帯に包まれた人の足が見つかったことで明るみに出た。当初は殺人事件などの重大事件ではないかとの推測も出たが、19日に仁川市中区のある療養病院に入院していた89歳の女性患者Aさんの足であることが確認され、事件の全容が明らかになった。
Aさんは心機能の低下により足の壊死が深刻に進行しており、それまで入院していた総合病院で追加治療は困難と判断され退院していたことが分かった。その後、家族はAさんを受け入れてくれる病院を探したものの見つからず、各所を当たり、ようやくこの療養病院に入院させたという。
療養病院側は、入院後に壊死がさらに進行したことから、8日に病室で切断を実施した。その後、ボランティアが清掃中、この足を石こう包帯の廃棄物と勘違いし、リサイクル用のごみ袋に入れて捨てたことが分かった。
ヤン科長は「事件の内容を詳しく見てみると、思っていた以上に複雑な事情があった」とし、「通常、この程度まで壊死が進めば、総合病院以上の医療機関で整形外科医が切断手術を行う。しかし、高齢で心機能も大きく低下した患者の場合、手術そのものが命に関わる危険を伴うため、執刀医もためらわざるを得ない。足を救う手術ではなく切断のために命を懸ける決断は容易ではない」と説明した。
このような患者を大学病院や介護施設が受け入れる可能性は極めて低く、家族の切実な要請を受け入れたこの療養病院が最後の選択肢だったのではないかとヤン科長は推測した。
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