国際情勢分析

意外と親和性ある? イランとイスラエルは不倶戴天の敵にあらず

 ユダヤ人とペルシャ人の親和性も決して低くない。現在でも数万人規模のユダヤ社会がイランには存在する。イスラエルのカツアーブ元大統領(在任2000~07年)は、イラン中部のヤズド出身で、イランのハタミ元大統領(在任1997~2005年)とは同郷である。

 そんな両国が1979年の革命でイランに反米のイスラム体制が成立すると、敵対関係になり、イランはイスラエルを「違法な占領者」と位置づけ、その生存権さえ否定するようになった。イランのアフマディネジャド前大統領は「イスラエルを地図上から消し去る」とさえ発言した。

 対立が激化すれば、複雑に利害が入り組む中東各地に衝突の連鎖が飛び火する事態も懸念される。また、トランプ米政権の北朝鮮との関係改善進行とイランへの制裁強化が並行しているのも不気味だ。北朝鮮の核ミサイル問題と中東紛争の二正面対応を迫られる可能性から脱すれば、米国にとって対イラン軍事作戦のハードルは下がる。

 イラン・イラク戦争(1980~88年)の末期、米国製兵器の部品が消耗してイランが窮地に陥るとイスラエルは、秘密裏にイランに交換部品を供給した。イランもイラクも戦勝国にさせないという現実的政治判断で「同盟」を一時復活させたのだった。両国は本来、不倶戴天の敵ではあるまい。指導者たちは挑発やかたくなな姿勢を慎まなくてはならない。

(外信部編集委員 佐渡勝美)

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