自己所有日本国旗「ヘイトに使い放題」野村修也氏が問題視 国旗損壊罪に賛成 参考人質疑

日章旗

衆院内閣委員会は25日、自民党、日本維新の会、国民民主党、参政党の4党が共同提出した日本国旗損壊罪法案を巡り、有識者の参考人4人から意見を聴いた。法案は処罰対象を「人に著しく不快、嫌悪の情を催させる方法で公然と国旗を損壊、除去、汚損した者」と規定しており、保護すべき「法益」や憲法との関係を中心に意見陳述があった。

百地氏「異常事態解消のため必要」

日本大の百地章名誉教授は法案に賛成の立場から意見を述べた。現行の「器物損壊罪」では他人の所有する国旗を損壊した場合は罰することができるが、自己所有の国旗の場合には適用されないことや、外国を侮辱する目的で外国の国旗を損壊すれば処罰対象となる「外国国旗損壊罪」がある一方で日本国旗を守る法律が存在しないことを挙げ、「バランスを欠いており不合理だ」と指摘した。また、「先ごろまで国旗国歌法の制定に反対し、国旗掲揚時の起立に抗議した教員がいたり、職務命令による君が代の伴奏を拒否し、裁判にまでなった教員までいた。このような異常事態を解消するためには、積極的に国旗を保護する法律は必要だ」と訴えた。

江藤氏「国民感情だけでは不十分」

桃山学院大の江藤隆之教授は、法案に慎重な立場を示した。「立法事実が不十分だ」としたほか、法案が守るべき法益を「国旗を大切に思う国民感情」としている点について、「規制する対象が『表現の自由』であると考えると、単に国民感情だけでは保護法益として不十分だと考えられる。刑法学では社会倫理を守るためだけに刑罰を使ってはならないという意味で保護法益が重視されているが、今回の法案が社会倫理を超える法益を示せているか、疑問が残る」と述べた。表現者が委縮したり、通報があった場合に臨場する警察官の負担が増したりしかねないとの懸念も語った。

野村氏「市民団体によるカウンター」

中央大法科大学院の野村修也教授は、外国人との共生社会の実現を目指してきた経験から、法案に賛成する立場で意見を述べた。「現行法上、外国の国旗を用いた外国人に対するヘイト行為は外国国旗損壊罪によって抑止されているが、日本の国旗を用いた日本国民全体に対するヘイト行為は処罰の対象とはなっていない」と問題意識を語った。「自分の所有する日本の国旗であればヘイト行為に使い放題であるという状況は、国旗が社会の分断の道具として使われる危険性をはらんでいる」と述べ、「例えば外国人の生活習慣をめぐってトラブルが生じた地域で日本人によるヘイトスピーチが横行し、それへのカウンターとして外国人やそれを支援する日本人の市民団体が日本の国旗を大量に持ち寄り、棺桶に入れて火をつけるような事態が起こっても、これは現行法上、致し方ないということになりかねない。そういう事態は起こってほしくない」と強調した。

志田氏「少数者の発信優先を」

武蔵野美術大の志田陽子教授は法案について、「将来憲法訴訟になったときには、違憲と判断される可能性が非常に高い」と述べた。表現の自由や知る権利に言及。「切実なニーズを抱えた人々の表現に道を開けておくことに最も意義がある。特に生活が立ち行かなくなるような不安を感じている国民や住民がいるときに、自己責任ではなく政策の問題だとして訴えたいときに、刺さる表現やとがった表現をしたいと思うのはあり得ることで、それが人に不快感を与える可能性はある。こうしたときには、少数者が自分の状況やニーズを発信することを優先する、自由に道を開いておくというのが表現の自由保障の重要な意義だ。また、そうした声を知る権利も国民にはある」と主張した。また、「警察に通報があることで委縮が生じる、警察からの取り調べの中で思想信条への踏み込みが起こるということを指摘したい」と強調した。

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