【特集】先進的な取り組みを進める八峰町の漁師 未利用魚の加工・販売やサーモンの養殖事業も 数々の荒波を乗り越えてきた発想力とは 秋田
捨てられてしまっていた魚、未利用魚の加工・販売やサーモンの養殖事業を手掛ける漁師が、八峰町にいます。
コロナ禍やハタハタの記録的不漁といった逆境をバネにして手掛けてきた先進的な取り組みを取材しました。
■水揚げのほとんどが“未利用魚”
八峰町の岩館漁港を拠点に漁業を営む菊地陽一さん46歳。
菊地陽一船長
「本当はもっと早く出るんですよ。ただちょっとね、今、油も高いし、いろんな意味で、あんまり早く出ても意味ないかなっていうそういう感じです」
物価高騰の波は海の上にも押し寄せています。
菊地さんの漁船「海運丸」が行っているのは沖合で海に網を仕掛けて魚をとる底引き網漁です。
1回1時間ほどかかる水揚げ作業を一日約10回行います。
太田朋孝記者
「こちらは今水揚げされたばかりの魚で生き生きとしています。種類や形そして大きさは様々でその価値に応じて選別されます」
網にかかるのは狙った魚だけではありません。
大きさや数量などを理由に市場に出回らない魚、未利用魚も一緒にとれます。
菊地陽一さん
「マフグなんですけど、食べれば全然おいしいんですけど、これはもう安くてちょっとお金にならない、水揚げしない魚です。売ってもお金にならない、むしろ赤字になる魚です」
「カナガシラ。これも未利用魚。 これ、すごい安くて、売れないです。」
「食べたらおいしいんですけど、 これもすごい安いので、基本水揚げはしない未利用魚」
この日の水揚げは目当てのイカを除いてほとんどが未利用魚でした。
■未利用魚に付加価値をつけて売り出す
菊地陽一さん
「やっぱ見ててわかるようにもったいないですよね、これって。なので少しでも、そこのおいしいのにっていうことで、食べてもらおうってことで」
漁師たちが味わう分などを除いて捨てられてしまっていた未利用魚。
菊地さんは付加価値をつけて売り出す事業を手掛けています。
地元の漁師仲間と2021年に立ち上げた魚介類の販売会社「フィッシュドア」。
コロナ禍で飲食店向けの需要が落ち込む中、食卓に魚を届ける扉にしたいという思いを込めて始めました。
できるだけ早く加工したうえでマイナス60度まで冷やせる冷凍庫で鮮度を保った商品。
解凍したあと手軽に調理できることも人気を集め、全国から注文が寄せられています。
藤田裕太郎アナウンサー
「ふわっふわですね」「おいしい。優しい甘さでどんぶりいっぱいご飯盛ってかきこみたくなる」
菊地陽一さん
「出回らない魚とかもたくさんあるんですけど、そういう魚にも価値がついていけば、未利用魚じゃなくてちゃんとした価値ある魚として売っていけるんじゃないかなっていうのもあって、やっぱりまず知ってもらうことが一番だと思います」