中国、ASMLの先端半導体装置入手の可能性-米が経営陣に懸念伝達
ASMLの広報担当者は、一連の会合に関する問い合わせに対し、世界中の政府指導者らと定期的に透明でオープンな協議を行っており、中国にEUV装置を出荷したことは決してないと主張した。
「米国とオランダの輸出管理規制の背景にある国家安全保障上の判断を認識し、適用規則の順守に全面的に取り組んでいる。対中輸出規制の違反という不正確で当社の評判を傷つける根拠のない幾つかのうわさにも反論してきた」と広報担当は説明した。
オランダ外務省の担当者は「半導体産業における独自の役割」に伴う責任を真剣に受け止め、EUV装置や関連輸出の規制を「極めて厳格」に実行しており、「必要に応じて常に介入する」とコメントした。
トランプ政権の複数の高官は、ASMLが誠実に行動していないことを示す証拠があると匿名を条件に語った。EUV装置に特に関係する機器の対中輸出を例に挙げたが、ASMLはブルームバーグに対し、これを否定した。
これらの当局者は、情報および情報源の機密を理由に出荷の証拠の提示を求めるブルームバーグからの度重なる要請に応じなかった。中国に実際にEUVシステムが存在する証拠を目にしたかどうかの確認も控えた。
関係者によると、ASMLは内々に危機モードに入り、ラトニック商務長官と4月に会合を持った後、「中国でのASML・EUVシステムの存在を示す証拠はない」と題する文書を作成し、ワシントンで配布した。
ブルームバーグが文書の内容を確認したころでは、EUV装置は世界中で314台が稼働中で、使用を停止した装置も26台存在するが、中国には1台もない。EUV製品群では「中断、異常動作、接続の喪失」を自動的に検知できるほか、「特殊な取り扱い手順があるため、ASMLの関与なしにEUVシステムの取り外しや輸送、移設はできない」という。
米政府高官らは、ASMLがEUV装置の輸送に用いる特殊機器や、EUVシステムで使用可能な他の部品を中国に出荷した証拠があるとしたが、それらの証拠は機密性が高く開示できないと回答した。ASMLの広報担当は疑惑を否定し、「EUV装置を中国に出荷したことは一度もなく、EUV装置での使用を想定し設計された部品、モジュール、機器を中国に輸出したこともない」と反論した。