中国、ASMLの先端半導体装置入手の可能性-米が経営陣に懸念伝達
(ブルームバーグ): ラトニック米商務長官は、オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングの上級幹部らに対し、同社の最上位の先端半導体装置が、米国主導の輸出規制に違反し、中国に流出した可能性があると懸念を伝えた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者によれば、ラトニック商務長官は、ASML経営幹部らとの最近の会合で、極端紫外線(EUV)リソグラフィー装置について懸念を表明した。EUVシステムは、台湾積体電路製造(TSMC)などの企業が、エヌビディアやアップル向けのプロセッサーを製造するために使用している。
トランプ政権1期目に課された規制により、EUVシステムの対中輸出はこれまで一切認められておらず、ASMLにとってトランプ政権下での最大の試練になる恐れがある。
トランプ政権の閣僚など上層部が抱く根強い懸念により、欧州で最も企業価値の高いASMLは一層強い圧力に直面する。同社の事業活動は国家安全保障や技術政策を損なうと米当局から批判にさらされてきた。不安を和らげることができなければ、米国と欧州連合(EU)との既に不安定な関係にさらに緊張をもたらしかねない。
非公開情報を理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、ASMLはラトニック商務長官に対し、スクールバスほどの大きさで、限られた数量しか製造されておらず、社員による定期的メンテナンスも必要なEUVリソグラフィー装置は、中国に一切存在しないと反論したという。
事実でないことを証明しようとするASMLにトランプ政権が一体何を求めているのか、同社からのどのような情報がEUV問題を決着に導くかは見通せない。
ASML株は19日のアムステルダム市場で一時2.3%下落した。同社株は年初来80%高となっている。
中国にEUV装置が存在することを示す証拠があるかどうかを含め、この件に関する複数回の問い合わせを米商務省に行ったが、これまでのところ返答はない。