金沢大学角間キャンパス

 利害関係のある業者から金銭を受け取ったとして、金大は23日、融合研究域融合科学系の男性教授(44)を懲戒解雇したと発表した。解雇は22日付。教授は防災や交通の専門家として知られ、能登の復興にも幅広く関わってきた。金大は県警に被害届を提出。捜査関係者によると、業者を通して架空の研究費などを大学側に請求し、受け取っていた疑いがあり、県警は詐欺容疑での立件を視野に捜査を進める。

 金大によると、1月に外部から「教授が研究費などの不正経理に関与している」と通報を受け調査を開始。3月13日に関与が疑われる業者に聞き取り調査を行い、業者から教授の口座に振り込まれた現金があることを確認。今月19日に処分を決定した。

 金大は捜査が行われているとして、教授が金銭を受け取った回数や時期、金額は明らかにしていない。

 捜査関係者によると、教授は金沢市内の業者に、研究費名目で架空の請求書などを大学側に提出するよう依頼したとみられる。大学が研究費として業者に支払った現金を、教授の口座にキックバックさせていた疑いが持たれている。

 金大は監督者責任として、飯山宏一融合研究域長を書面で厳重注意した。和田隆志学長は財務担当理事とともに役員報酬の一部を自主返納する意向を示しており、「心よりおわび申し上げる。捜査に全面的に協力しながら厳正に対処し、再発防止に向け、改革を徹底する」とコメントした。

  ●関係者に動揺

 男性教授は栃木県の出身で、子ども時代に豪雨災害を経験したことから防災分野の研究者を目指した。能登の復興関連事業に広く関わっており、17日に県庁で開かれた県の防災・減災推進条例検討委員会の初会合では副委員長に就任。同日はリモートで参加し、進行役を担っていた。県危機管理部の担当者は「驚いている。今後の対応は委員長と相談する」と述べた。

 委員長を務める宮島昌克金大名誉教授は、教授について、仕事熱心で、ドローンや3D映像など新しい技術を防災に取り入れていたとし、「寝耳に水で、どう言えばいいのか分からない」と動揺を隠さなかった。

 教授は、観光や景観の専門家、地元市町の担当者らで構成する「能登半島絶景海道の創造的復興に向けた検討会」では委員長を務めている。所管する国土交通省能登復興事務所の担当者は「報道で知り、それ以上の情報はない。コメントできることはない」と話した。

 県庁で取材に応じた山野之義知事は「まずは事実関係を確認したい」と述べるにとどめた。

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