うつくしい狂気
なにかに狂いたい、と、ひとことで済ましてしまえば現にお前は恋愛に狂っているだろうと鼻で笑われてしまうだろうが、たりない。
恋愛は、麻酔薬だ。なにかに狂わされているときだけは周りを見ずに済むので、もっと恋愛に狂いたい。狂わなきゃ、ずっとこの苦しみを現実で味わい続けるのは無理がある。精神が壊れる。精神が壊れて、身体が破壊される。身体が破壊されても意識は残り続けて、思考は消去されないから、それならば、すこしの麻酔薬ぐらい許してくれたっていいだろう。
日本語で相手に自分の好意を、愛情を伝えることのできる言葉というものは、せいぜい「好き」だとか「愛してる」程度で、それ以上にそれらの感情を表す言葉は存在しないから、夏目漱石は「月が綺麗ですね」なんてI LOVE YOUの言葉を創造したのではないか。そう思った。
漱石の、自分を、精神と思考を、すべて差し出して、それが相手に伝わるかたちで、最上級で最大級の愛情を伝えようとする試みは、現代に受け継がれるほど大成功に終わった。
きっと彼、彼女らの性依存、自傷行為というのも、彼、彼女らなりのI LOVE YOUなんだろうけれど、わたしはそういうのじゃなくて、もっと違うわたしだけの美しい狂い方をしてきみにI LOVE YOUを伝えたい、。


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