深刻なウクライナの兵員不足
ウクライナの兵員不足の深刻さは、大学や大学院で学ぶ学生を除籍処分として、動員しようという苦肉の策によっても証明されている。
ウクライナの情報によると、昨年4月から8月にかけて、30歳以上の男子学生2万3448人がウクライナの高等教育機関から退学処分を受けた。その理由は、学業成績不良、授業に出席しないなどだが、動員忌避のために学生身分になった者が相当数いた。つまり、大学などの高等教育機関の側から、2023年から2024年にかけて、軍人の年齢(とくに30歳以上)の男性を大量に入学させ、動員から逃れる手助けをすると同時に、多額のカネを得ていたケースがあったのだ。ウクライナ国家行政庁の勧告により、ウクライナ国家警察は高等教育機関の職員に対して8件の刑事訴訟を開始したという。あるいは、高等教育機関の免許剥奪事例も増加した。
さらに、オクセン・リソヴィ教育科学大臣は今月、リヴィウ州の高等教育機関の学長らと会合を開き、25歳以上の学生に対する偽の教育について話し合った(「フェイスブック」を参照)。昨年4月、動員の対象年齢が27歳から25歳に引き下げられた結果、25~60歳までの男性が強制動員の対象となっているため、25歳以上の学生について、大量退学をさせることが決まったとみられている。
報道をみると、リソヴィ大臣が「教育を受ける権利は、国家を守る義務から免除されるものではない」とか、「これは単に合法性の問題ではなく、名誉、職業上の名声、市民としての責任の問題でもある」と強調した、としか書かれていない。だが、これは事実上、25歳以上の学生を大学・大学院から除籍させて動員に道を拓くものと理解されている。