「今の状況は理想的」一軍好調が二軍育成に好影響をもたらす西武 象徴は高卒新人・横田蒼和
高卒野手がチームの中心を担う伝統
昨年までの西武であれば、こうした有望株がいれば早い段階で一軍に抜てきするケースも少なくなかった。しかし、2019年以来7年ぶりのリーグ優勝を狙う今季は、各ポジションに確立された戦力が並び、経験を積ませるためだけの昇格枠は存在しない。 だが、それは決してマイナスではない。能力の高い若手に一軍のレベルを経験させることも重要な育成過程だが、かつての中島裕之(その後、宏之)がそうだったように、「二軍のレギュラー」として数年間鍛え上げる育成法もある。コーチが付きっきりで課題をつぶしながら成長を促し、当時の正遊撃手だった松井のメジャー移籍というタイミングで、その穴を埋める存在へと成長した。 ライオンズの歴史を振り返っても、黄金期には秋山幸二、伊東勤、清原和博が、その後も松井、中島、栗山巧、中村剛、炭谷、浅村栄斗、森友哉と常に高卒の野手が長くチームの中心的役割を担ってきた。 一軍の快進撃が続くほど、ファームは腰を据えた育成に専念できる。西武の再建は単なる首位快走では終わらない。横田や2024年のドラフトで1位指名された齋藤大翔ら若き才能が着実に力を蓄えていることこそ、ライオンズ再建の確かな証しと言えるのではないだろうか。 文=伊藤順一 写真=BBM
週刊ベースボール