フルタイムで「月20万円程度では、とても暮らしていけない」最低賃金労働者が2割の現実…「年収200万」が恒常化する日本の末路
「最低賃金1700円への引き上げは国の義務」
米田氏は、現代日本の貧困の核心を「労働力市場で等価交換が行われていないこと」にあるとみる。かつては「普通に40年間働けば子どもを育てられる金額を稼げる」状況があり、日本も勤労福祉国家を目指した時期があった、と振り返った。 だが、時間給でボーナスもない非正規雇用の働き方が広がり、年収200万円台が当たり前になったと指摘する。 黒田氏が「最大の欠陥」と呼ぶのが、最低賃金が全国一律でない点だ。最低賃金はもともと業者間の協定から始まり、後に法律となった。 かつては4大工業地帯に産業が集中していたが、いまは全国どこにでも産業があると黒田氏は言う。 「コンビニの商品は全国どこでも一律の値段なのに、コンビニで働く人の賃金は地域によって異なる」。地域別の最低賃金は歪であり、見直すべきだとした。地方からの人口流出と東京一極集中も、最賃が一律でないことと農林水産業の衰退が背景にあると労研は分析している。 では、どうすべきか。全労連の調査では、月151時間働くとして暮らしに必要な月収は27万〜28万円とされ、これを満たすには時給1700円程度が必要になるという。 黒田氏は中小企業は労働者の約7割を雇っており、「中小企業で働く労働者の賃上げが進まなければ意味がない」と強調しつつ、「最低賃金を現在の全国平均1121円から、全国一律1700円程度まで引き上げる義務を国は負っている」と述べた。 労研には現在、全労連(全国労働組合総連合)および東京地方労働組合協議会(東京地協)など計20団体が賛同を表明。20~30人程度の研究者も参加しているといい、6月27日には学習集会を予定している。 全国一般労働組合東京地方本部の山田博樹中央執行委員長は「現状が放置されるならば、日本の社会そのものの根底が覆されていく。今回の集会を恒久的な運動の出発点にしたい」と語った。
弁護士JPニュース編集部
- 427
- 645
- 272
関連記事
- “無実の罪”で懲戒解雇→自死 元勤務先に約8300万円賠償命令も遺族憤慨「本当は倒産してほしい」…背景に会社側の“判決直前”控訴取り下げ
- 「悪魔のような制度」自治医大・修学資金3766万円“一括返還”巡る訴訟 原告医師「僻地勤務“強制”ではなく“行きたくなる”制度を」
- 給与が突然ゼロ、全社員に“箝口令”も…社長命令で“代表取締役”になった証券会社員が「未払い分1年超」支払い求め提訴
- 月100時間超残業で48歳医師が寝たきりに…東京地裁、労災不認定処分を取消「宿直は労働時間ではない」とした国の判断覆す
- 「このままだと解雇」繰り返し言われ…Google社員が適応障害発症 労組側は「業務改善計画が労働者に極限の心理負荷与えた」と主張