企業が時短労働者を雇いにくい理由って、本当に「短時間労働は扱いにくいから」なんですよね。
一定条件を満たせば、短時間労働者でも社会保険や雇用保険の対象になる。
有給も比例付与されるし、労務管理、勤怠管理、給与計算、シフト調整、待遇説明、欠勤対応も必要になる。
つまり、働く時間が半分でも、会社側の管理コストが半分になるわけではないんですよ。
さらに新人を雇うなら、業務説明、OJT、ミスのフォロー、マニュアル作成、人間関係の調整、管理者の時間もかかる。
フルタイムなら、教育コストを勤務時間の中で回収しやすい。
でも週2、週3、1日4時間だと、教える手間に対して実働時間が少なく、会社側は「どうせ教えるなら週5で来られる人がいい」となりやすい。
ただ「会社が単純労働者に冷たい!」って話ではなく、かなり現実的な経営判断もあるのです。
加えて、時短の人を活かすには、仕事を細かく分解する力が必要になる。
誰がどこまで担当するのか。
引き継ぎはどうするのか。
急に休んだ時に誰が吸収するのか。
短時間でも任せられる業務をどう作るのか。
これは単なる採用ではなく、業務設計の問題なんですよね。
でも多くの会社は、仕事を「週5で安定して来られる人」前提で組んでいる。
だから表では人手不足と言いながら、実際には「週5で来られて、休まず、すぐ覚えて、空気を読んで、教育コストが低い即戦力」ばかりを求めることになる。高望みをしているのはどちらなんだよ、という話です。
時短労働者が使いにくいというより、会社側に時短の人を活かす設計と余白が日本の労働環境に企業が意図してそれらを設定しない限り存在しないことが問題なんです。
だから「働けるなら働け」と言うなら、これらを本当はセットで考えるべきです。
短時間でも働ける仕事を作る会社側の体力はあるのか。
週5フルタイム前提の労働市場を変える気はあるのか。
ブランクのある人を育て直す余白を、社会は持つ気があるのか。
働く意欲だけでは雇用は成立しない。
雇う側の余裕、教育する人員、失敗できる期間、短時間でも役割を持てる業務設計があって、初めて「働ける」が現実になるんだと思う。