東大が2028年実施の進学選択(旧・進学振り分け)から方式の変更を検討していることが、東京大学新聞社の取材により分かった。主に27年度学部入学者から対象となる。見直しはアルゴリズムや評価尺度のほか、各学部などへの進学定数を含むとみられる。
「進学選択制度の見直し等に関する特別部会」が25年9月から検討を進める。現在の選抜プロセスは3段階からなるが、段階が統合される可能性がある。制度検討には、現在の進学選択の第2段階で用いられる「受入保留アルゴリズム」が浮上した。受入保留アルゴリズムは、進学に必要な成績を満たす学部、学科の中で最も希望するところへ、全ての学生が進学できるマッチング形式だ。
各学部・学科の進学定数も見直される。変更内容は不明だが、27年度の学生定員案は26年3月に役員会で議決された。公表は27年初頭となる可能性がある。
東京大学新聞社では関係する文書の開示を請求。新方式の具体的な内容は、公になることで「混乱を生じさせ」たり事務・事業の「適正な遂行に支障を及ぼ」したりするおそれなどがあるとして開示されなかった。特別部会で部会長を務める森山工理事・副学長は3月、本紙記者に対し、進学選択制度については検討段階のため「外部にお示しできるものはない」と返答。移行には「十分な期間的余裕」を準備し、学生への説明も「十分に」すると話した。
「進学選択制度の見直し等に関する特別部会」は、28年実施の進学選択(主に27年の学部入学者が対象)での「新たな進学選択制度方式」導入を目標として25年7月に設置。東大本部の教育運営委員会が24年6月に報告した「学術長期構想にもとづく学部教育改革(検討素案)」を基に、「UTokyo Compass推進会議」の「全学教育制度改革タスクフォース」が24年夏ごろに策定した「提言」を踏まえるとし、25年6月の「役員懇談会」などで設置が提案された。
東大の藤井輝夫総長は21年9月、基本方針「UTokyo Compass―多様性の海へ:対話が創造する未来」を公表。24年に「UTokyo Compass推進会議」を設置している。
役員懇談会は、医学部での臨床カンナビノイド学社会連携講座を巡る不祥事への東大の対応プロセスについて検証した委員会の報告書によれば、役員会の前に行われる。役員懇談会で実質的な議論を行い、役員会では議事を記録しない慣行があるという。
現行の進学選択では、第一志望のみの単願(第一段階)、志望順での複願(第二段階)、定数を満たさなかった一部の学部などでの志望登録(第三段階)と順に進学先が確定する。第二段階以降にはそれまでで進学先が確定しなかった学生のみが参加する形だ。評点については、各科類の必要単位を1倍、あふれた単位を0.1倍の重率で加重平均する「基本平均点」のほか、一部の進学先学部・学科などでは独自の重率を用いたり特定の科目の単位取得に加点したりするものがある。
前期教養課程の定員については、27年の新学部College of Design(UT/D)設置に伴い、27年度から100人減の予定。科類間の比を保って一般選抜の募集人員を減じる。東大が国際卓越研究大学の採択を受けた場合には、31年実施の進学選択から「ディープテック学部」「コンピューティング学部」(いずれも仮称)の設置も検討中だ。