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高野はやと 江東区議会議員|東京15区
@takano_hayato38
ReHacQの杉並区長選挙ネット討論会を視聴。ここ2日間で、先の練馬区長選挙、中野区長選挙含めすべての討論会を再度見直しましたが、杉並区長選挙が自治体の議員としては一番学ぶことがあります。結論ですが完全に現職区長のペースです。終始落ち着いて冷静に対処していました。前回同様一人メモを取り、答弁する時は、質問者だけではなく視聴者に向けて話す。討論会としては、今回が一番楽しく観ていられました。亀田の醤油せんべいをつい一袋食べてしまいました。緑茶とともに。 まずそもそもなのですが、区長選挙というゲーム(試合)のルールを理解していない人ばかりです。大前提ですが、区長選挙は、他の選挙と異なり1人以外全員落選します。5人(途中で辞退したので今回は4人)出たら、4人は必ず落ちるのです。絶対ですよ。2人当選することも、2人目が復活して副区長になることもないのです。そして今回は、現職の区長が出ていて、区長の1期4年の評価を全員でしています。この構図の時点で、とてつもない違和感です。5人のうち2人当選するならまだわかりますよ。2位にすべりこむ戦略。ですが、天変地異が起きても絶対に1人しか当選しないんです。現職を評価し、批判し、現職のみに質問を集中させて、極限まで現職に話す機会を与えている。誰ひとり現職に完全に賛同する予定候補はいない。さらには男4人で、現職の女性区長を追求しているような絵面。構図もさることながら、有権者からどう映っただろうか。ふと米国初のテレビ討論「ケネディvsニクソン」を思い出すほどでした。 討論会の全体像が見えた時点で、椅子に浅く座り、もう醤油せんべいの袋は半分ぐらいまで減っていました。もし、この杉並区長選挙が、1975年の美濃部都政の時代、日本で初めて区長公選制が導入された第1回目の選挙ならまだわかりますよ。でも今は、ありとあらゆる過去の戦績データがあっても、まだこんな状況だから。 さて本題。前にも書きましたが、私が岸本聡子さんの話を初めて聴いたのは、6年前。実は英語のプレゼンです。テーマは『水道事業を民営化することの弊害について』。まだ欧米にいた時にオンラインでされたプレゼンです。岸本さんは英語で話す方が論理的かつ淀みなく話せて上手くなるんじゃないかと思います。もしかすると、英語で考えてから日本語に変換しているかもしれないし、討論会という名のディベートも、対話集会という名のブレストミーティングも欧米流から杉並区にカスタイマイズしているのではないかなと思います。だからこそ、討論会において、一見追及や批判と思われる質疑でも、しっかりメモして打ち返すことができる。無理して背伸びすることないんです。4年間の進捗だけファクトに基づいて回答すればいいのです。できてない部分があるからこそ2期目に挑戦するんだから。岸本さんのスタイルについてドキュメンタリー映画でも表現されているし、岸本さんの支持者ならみなさん気づいていると思いますので、詳細は割愛しますが、岸本さんの長所でもあるし、地元生まれ地元育ちのたたき上げみたいな人からなかなか受け入れがたいスタイルでもあります。ちなみに、僕はめちゃくちゃ好きです。 岸本区長の政策が、平和や人権、ジェンダーから入っていて理念的との批判がありますが、当たり前です。そこがウリなんだから。杉並区民はそうした人を区長にしたいと思ったから区長になったんです。でなければ、"俺は杉並生まれ杉並育ち、杉並歩けば会うのはだいたい友達"の人を区長に選べばよかったんです。世界というマクロの視点から自治体運営というミクロを捉えられるような、引く手あまたの価値の高い人を、杉並区という1つの自治体にだけ24時間フルコミットしなければならない区長に招聘した杉並区民のオーナーシップやリテラシーはすごいと思います。 次に、岸本区長にビジョンが見えないとの批判がありましたが、個人的には、岸本さんはかなりビジョナリーな人だと思います。当然落下傘だから、浜田山だ高円寺だ、1つ1つの街や地権者、歴史も含めミクロな事情に対し習熟するのには、時間はかかります。それはどんな人であってもです。でも岸本さんは、『杉並は止まらない』や『コモンと民主主義』などの著作も多数あるし、ドキュメンタリー映画や対談動画も山ほどあるし、「さとこビジョン」もあるし、1期目の自治体の首長としては十分すぎます。うらやましいぐらいです。江東区までは轟いています。 次に、「『対話』を大切にした区政が、隠れ蓑になって何も決められない、空疎だ」との批判ですが、民主主義を構成する対話、熟議によるコンセンサスの形成には、そもそも時間がかかるのです。そもそも二元代表制において、大統領並みの権限のある区長が、一部の人の声しか聴かないから、そうした区政にうんざりしたから岸本区長に変わったんじゃないですか。それが民意であり、民主主義ですよね。自分の知らないところで、物事が決まるのは嫌だと思う区民が増えたから、岸本区長になったのではないですか。区長というのは、選挙を通して選ばれるんだから、区民が杉並区のオーナーであり、1人1人が主役ということでしょう。 ちなみに、前の区長であり、民主党の都議会議長でもあった田中良さんの著作『公文書に載らない東京都政と杉並区政』や対談動画もすべて見ました。その上で、元々は民主、社民、生活者ネットの推薦を受けて当選した田中区長ですが、アウトプットされた事業はそんなに違いはない。そもそも基礎自治体の運営に首長が変わって即180度転換なんてありえないし、そうだとしたら優秀な区の職員を舐めすぎだ。上から目線すぎる。さらに、選挙の構図を踏まえた戦略でいえば、怒りを持って討論してはいけないし、100%否定するのも違う。だって1人しか当選しないのに、2人や3人で寄ってたかって同じ批判をしてどうする。 増田よしひこさん好きですね。「緑で稼ぐ」。キャッチもシンプルでわかりやすい。マムダニ市長以降のニューヨークの状況をアップデートすべきだと思うが、海外経験豊富で、経営感覚もあり、話上手で頷くところが多くありました。再生の道の方々は、ビジネス経験は豊富だが、選挙制度をそもそもまったく理解していない人が多すぎる。しかし、個人個人はめちゃめちゃ優秀。選挙制度と政治活動の本質を理解しない限り、いくら優秀でも首長や国政はそれだけでは当選できないので、地道な泥水をすするような活動をしっかりして、基礎自治体の議員として日本の政治全体を底上げしてほしいところ。 ここからは自分の経験に基づく意見ですが、国政ではなく地方政治において、イデオロギーが問題になる条例案や予算案というのはごくごく少数です。しかも行政にはサービスの継続性も問われるから、そんなになんでもかんでも反対するなんてのはありえないです。杉並区の自民党が反対している事業を見て驚きました。人権ゼロメートル地帯と揶揄される江東区でも自民党はほとんど賛成してますよ。選挙で多数を占めた政党が与党になり、内閣を構成する議院内閣制ならわかりますが、二元代表制において、あれもこれも個別の条例案や予算案に反対する意味がわかりません。だって、反対してポジションを取って多数をとっても政権を取れるわけではないのですよ。二元代表制における選挙は、行政の長と議会はまったく別なのです。応援し合う関係にはありますが、仮にすべての議会の議席を1つの政党で占めても、それが理由で行政の長が交代することなど制度上絶対にありえません。大阪以外で、往々にして共産党を取り込むと自民党が離れ、自民党を取り込むと共産党が離れる関係にあることはありますが、当初予算案が主です。 あと、「対話」を重視すると言っておきながら、東京都や国とがっちりタッグを組み、一気通貫で物事を進められることをウリにしている政党や候補がいるのですが、実は相反することも多いのよ。だってそうでしょ。国には全国から選ばれた国会議員がいるんだから、その意思決定が常に杉並区にとって最適になるとは限らない。東京都だって同じです。そうなると、ふるさと納税やIターン、Uターンなどの地方創生や税源偏在是正措置のように、都市部よりも日本全体のバランスを重視する方向に進むこともある。 これは一例だけど、区民との対話を重視するなら、国や東京都とタッグを組むことだけが重要なのではなく、時には区民の利益を守るために対峙することも重要だと思うよ。 国や世界全体を見て、マクロな視点から区民を説得し、視野を広げることも大事。そして時に、国や都に区民の声を届け、ミクロな困り事を伝えながら相手を説得し、認識を深めてもらうことも大事。 それと、そもそも都の事業と区の事業の違いすら理解できていない人は、数十名いる議員ならまだわかるが、一人の裁量が大きい首長なら救えないよ。冷やかしともとれる。区民が区と都の違いがわからないのはいいが、首長としては適性なし。 長くなりましたが、杉並区長選挙の雑感でした。現職も元職も含め、多様な方が立候補を表明して、視野が広がり、新たな気づきを得られ、議論も深まる瞬間もあるため注目しています。先の中野区長選挙もそのような選挙でした。 追記:個人的には、練馬区長選挙の吉田健一さんと尾島さんの討論会も好きでしたね。2人は大学の先輩後輩であり、古くから消防団など町の活動で絆がある。ヨシケンさん、オジマ君の仲であって、お互い批判もいっさいなく、ただただ褒め合ってよい意味で気持ち悪いぐらい仲良しの討論会でした。気持ちわかるわ。僕もああいう風になってしまうんですよね。尊敬する先輩とか尊敬する後輩というのは、ぶっちゃけイデオロギー関係ないんだよ。それが保守だろうがリベラルだろうが、右派だろうが左派だろうがいいのよ。大学時代から友人やお世話になった先輩とイデオロギーが違うからって疎遠になることなんてないもん。でも勝負の世界だからね。
9:26 AM · Jun 16, 2026112.6KViews

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