生誕120周年 映画で楽しむ川端康成の世界

時代ごとのアイドルが主演に!? 川端康成はアイドル映画の「生みの親」

「島村」は芸者の生きようを映す鏡のような存在で主役は女たちだ。2回の映画化では岸惠子、岩下志麻が演じた。京都の風物を借景に生き別れた双子姉妹の数奇な運命を描いた『古都』は、まさに女の物語。2度の映画化では、岩下志麻、山口百恵が主演している。

これらの作品に登場するのは、踊子、温泉町の芸者、捨て子の姉妹といずれも困難な状況の中で美しく生きる女たちだ。数えの16歳になるまでにすべての肉親を失った孤児である川端が憧れた女性たちは、スクリーンでは日本映画史を代表する女優たちの美の供宴となった。

また、映画では伊豆、湯沢温泉、京都、と名所の風景も楽しめる。今一度、川端映画で、往年の名女優たちと日本の風景に「なつかしい親しみ」を感じてみたい。

■大野裕之(おおの・ひろゆき) 脚本家、演出家。1974年、大阪府生まれ。京都大学在学中に劇団「とっても便利」に参加し、脚本・演出・作曲を担当する。日本チャップリン協会会長。プロデューサーと脚本を担当した『太秦ライムライト』(2014年)で第18回ファンタジア国際映画祭最優秀作品賞などを受賞。主著に『チャップリンとヒトラー メディアとイメージの世界大戦』(岩波書店)など。

川端康成の同名短編などをモチーフとした映画『葬式の名人』(樋口尚文監督)ではプロデューサーと脚本を担当、20日公開される。

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