「命のリスクに直結」大炎上の絵本作家が“より悪い方向”へ爆走中!一見美しい絵本が子どもを追い詰めるワケ
「もはや軽蔑に近い感情」
死を日常的に意識する医療従事者が、スピリチュアリティに救いを求めること自体は決してめずらしくない。しかし、のぶみ氏の手法は、子どもの無邪気な空想や語りを大人の都合でねじ曲げ、陰謀論や恐怖の煽りに利用している。そこには明らかな倫理観のバグが見て取れる。 「実は私が小さかったころ、母に『お水でぷかぷか浮いていた』と胎内記憶のような話をしていたらしいんです。その思い出も利用されたようで嫌でした。 母には反ワクチンの傾向もあり、かつて私はHPVワクチンの接種を『副反応が心配だから』と止められ、適切な時期を逃してしまいました。その上でさらに母がこうした反ワクチンや陰謀論に迎合していく姿を見て、失望と怒りを通り越し、もはや軽蔑に近い感情を抱くようになりました」 反感の言葉を口にしたため、母はのぶみ氏動画の視聴を隠すようになり、心美さんは心の距離が決定的になったという。
子どもを利用しているのは誰か
「子どもはママを幸せにするために、お空の上から選んで生まれてきた」――。 一見、育児に疲れた親の心を癒やす美しいファンタジーに見えるこの言葉は、ビジネスの道具として消費された瞬間、子どもに対する「精神的搾取」へと変質する。 子ども自身の純粋な空想や他愛のない語りが、大人の都合の良い話に歪められ、あげくの果てには陰謀論や災害の予言、さらには反医療的なプロパガンダにまで利用されている。 医療や教育の専門知識を持つ親でさえ、コミュニティの熱狂の中で思考を麻痺させられ、その結果、子どもは幼くして親の「心のケア」を強いる呪縛に囚われ、成人後も深い失望や親子関係の破綻という重い代償を払いつづけることになる。 サラッとカジュアルに書いてあるように見える『Mr.ベイビーマン』だが、周辺、背景にはこれだけの問題が詰まっている。気軽に人に勧めていい絵本ではないだろう。 <取材・文/山田ノジル> 【山田ノジル】 自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru
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