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宮沢孝幸(Takayuki Miyazawa)
@takavet1
【論文掲載のお知らせ】 生命の根源的な機能はいかに維持されるか  昨日、国際学術誌『Biomolecules』に、私の最新の総説論文が掲載されました。  ▶︎ 論文はこちら(オープンアクセスです):  doi.org/10.3390/biom16…  今回の論文では、これまでの胎盤進化やウイルス研究の知見を統合し、「バトンパスモデル(Baton Pass model)」という進化の概念枠組みを提唱しています。  生物の教科書を開くと、「生命維持に絶対不可欠な機能は、それを担う遺伝子が何億年も大切に守られる(遺伝子の保存)」と書かれていることが一般的です。しかし、本当にそうでしょうか?  実は、哺乳類の胎盤形成に絶対必要な「細胞融合遺伝子(シンシチンなど)」を調べてみると、驚くべきことに、系統ごとに全く異なる「外来性レトロウイルス」を起源としています。しかも、ある系統で主役だった遺伝子が、別の系統ではあっさりと壊れて消えていたりするのです。  「なくてはならない必須の機能なのに、なぜ遺伝子がこれほどまでに不安定で、コロコロと入れ替わるのか?」このパラドックスを解き明かすのが、今回提唱した「バトンパスモデル」です。  ウイルスとの激しい攻防(レセプター・コンフリクト)によって宿主の受容体が変化を強いられるなか、ゲノムの中に備蓄された「過去のウイルス感染の名残(ERVリザーバー)」が、次なるバトン(遺伝子)を受け取り、機能をリレーのように繋いできた背景を論理的に紐解きました。  この現象は、数千万年単位の宿主ゲノムの進化だけでなく、現代のウイルス(HIVやSIVなど)が宿主の生体防御をすり抜ける戦略にも、全く同じ「役割の再割当て(バトンパス)」の構図が見られます。    生物は、ウイルスを単なる「病原体」として排除するだけでなく、その能力をゲノムのリソースとして飼い慣らし、変化する環境を生き抜くためのカードとして活用してきた――。そんな生命のダイナミックでしなやかな生存戦略を感じていただければ幸いです。  今回の論文発表にあたり、長年にわたり共に研究室で汗を流してくれた卒業生や共同研究者の皆様、そしてクラウドファンディングや直接のご寄付という形で私たちの独立した研究活動を支えてくださっているすべての支援者の皆様に、心より深く御礼申し上げます。  皆様に応援していただいた研究の灯を、ここ京都生命科学研究所(Kyoto AHOI)から、さらに大きな成果へと繋げてまいります。
mdpi.com
Beyond Genetic Conservation: The Baton Pass Model of Essential Biological Functions
Essential host functions are often maintained by conserved molecular systems, but in biological contexts shaped by evolutionary conflict, the genes that execute such functions may be unstable,...
12:28 PM · Jun 18, 202615.9KViews

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