なぜ「異論」が出ない?教員の相互不干渉が蔓延か…同志社国際高校・辺野古事故から考える"学校ならではの風土"の問題点
3月16日に沖縄県名護市の辺野古沖で発生した、同志社国際高等学校における研修旅行中の重大事故について、文部科学省が示した教育基本法違反という判断がさまざまな議論を呼んでいる。 【写真】文科省と京都府は今回の事故について見解を整理したペーパーを公表した 政治的中立性に反したものだったのかどうかについては、識者や各団体の見解は分かれており、ここでは詳細な検討は行わないが、安全対策については船の運営側に加えて学校側にも深刻な問題や不備があったことは、大方の見方で一致している。同校ならびに学校法人も、現時点では安全上の問題で争う姿勢を示していない。 ここで問いたいのは、政治的中立性の観点からも安全対策からも疑問視されるような対応が同校でなぜ続いたのか、なぜ誰も異論を挟まなかったのかである。 なお、現時点では詳細な情報は不明なところもあるし、今後第三者による検証が行われるため、ここではわかる範囲でとなるが、文科省・京都府の確認した事実や参考となるほかの事例、知見をもとに、前途ある高校生が犠牲となった今回の事故の教訓について、考えたい。
なぜ、誰も異論を挟まなかったのか
5月22日、文科省と京都府は今回の事故についてこれまで把握したことと見解を整理したペーパーを公表した。
安全管理については、以下の事実を確認したと文科省・京都府は述べる。 ・学校側は当日の波浪注意報の気象情報について確認していなかった。 ・悪天候などによる活動の変更・中止を想定した代案について、学校において事前に決めていなかった。 ・今回のプログラムは旅行会社における下見等の確認対象に入っていないにもかかわらず、学校は事前の下見等を行っておらず、現地で事故等が発生した際の対応や救護・通報にかかる施設・設備等の調査・確認を行っていなかった。 ・学校において、今回のプログラムに参加する生徒に対して、ライフジャケットの着用方法等の事前の安全指導・教育がなされていなかった。 など また、文科省ならびに京都府による調査では、以下の言及がある。 2023年からボートへの乗船が行われる中で、 ・安全管理面においては、事前の下見や研修旅行当日の引率教員の同行、通常の船着き場ではなく護岸からの乗船、事後の生徒の感想において、警備中の船から注意を受けたり、船に乗ることに恐怖を感じたりした者がいたこと ・教育活動面においては、抗議船として日常的に使われている船への乗船や、開会礼拝における牧師のメッセージにおいて、牧師自身が行っている辺野古への移設工事に反対する抗議活動の説明が行われていたこと、2015〜2018年の研修旅行のしおりにおいて、座り込みをお願いする文書を掲載していたこと といった事項について、校長や管理職、教職員の間で疑問が呈されたり、議論がなされたりしたことはない。 つまり、政治的中立性に反するものだったかどうかという評価、議論は別としても、安全面と教育活動面それぞれの問題について、校内でこれまで批判的に検討されることは一切なかった模様で、異論は出なかった。