コーヒーより効く、朝食より大事? 睡眠の専門家が選んだ朝習慣ランキング【Tarzan】
第1位|起床後、朝の光を浴びる。
起床後は朝の光を浴びる。何度も耳にしている朝習慣が、得票数7で納得の第1位。なぜ、朝の光が目覚めを促すのか? その理由を改めて解説しよう。 朝の光の受容器はもちろん目の網膜。ただ、形や色を識別する桿体細胞や錐体細胞ではなく、光情報を受け止めて脳に送るのは網膜神経節細胞にあるメラノプシンという青い光の受容体。メラノプシンが受け取った光情報はただちに脳の視床下部にある視交叉上核に送られる。ここは体内時計の最高司令室に当たる神経の固まり。ほとんどのヒトの体内時計サイクルは地球の自転リズムより若干長く、この光情報の到達によって地球リズムにリセットされる。 具体的には脳の松果体に働きかけて睡眠ホルモンのメラトニン分泌をプログラムする、あるいは脳下垂体からホルモンを介して副腎皮質に信号を送り、血糖値を上昇させるコルチゾールの分泌を促す等々。目覚めてからシャキッと動けてその日の夜の睡眠のタイミングが約束されるのは、光情報あってこそなのだ。 専門家たちも口々に言っている。朝目が覚めたらカーテンを開けよう、外に出よう、と。
光情報が脳とカラダに及ぼす作用。
視交叉上核に光情報が届くと、松果体からのメラトニン分泌が一旦抑制され、夕方以降の分泌がプログラムされる。同時に下垂体からのACTHというホルモンの指令で副腎皮質からコルチゾールが分泌される。
ガラス越しでも効果はありますが、ベランダなど日光に近いほど効果的。天気にかかわらずベランダに出ましょう。ベランダに出るだけでなく、朝食を摂ればさらにGOOD!(睡眠アドバイザー・三橋美穂さん) 太陽光を浴びるのが理想ですが、冬は日の出が遅く現実的ではありません。冬は起床直後に天井照明を最大光量で点ける、光目覚まし時計を活用するのがおすすめです。(快眠トレーナー・角谷リョウさん) 動物実験でも重要なのは朝の光と食事です。このふたつがワンツーフィニッシュです。ただし、夜間は月の光が入らないようカーテンを閉めて寝るのがおすすめです。(広島大学大学院医系科学研究科准教授・田原優さん) 体内時計のリセットには2500ルクス以上の明るさが必要。室内は100〜500ルクスなので屋外に出るかベランダで過ごしましょう。夜のメラトニン分泌にも関わります。ぐっすり眠るためには「朝の仕込み」が大切。(スリープトレーナー・ヒラノマリさん) 太陽の光が目に入ることでメラトニン分泌が抑制され、活動モードのスイッチが入ります。 体内時計をリセットし、一日のスタートを決める重要な習慣です。(睡眠コンサルタント・友野なおさん) 一番大事なことは十分な睡眠を取ること。でも敢えて朝の習慣を挙げるとしたら、朝の光を浴びたらすぐベッドから出る、これをワンセットで行うことが大事です。(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)機構長教授・柳沢正史さん) ベランダに出られれば臨床的には1分程度でも朝、目覚めやすくなります。窓際で過ごすなら最低10分程度過ごしましょう。光感受性が高い人の場合はとくに、朝目覚めて夜眠くなるリズムが作れます。(作業療法士・管原洋平さん)
取材・文/石飛カノ イラストレーション/AZUSA