資生堂の「男性用日焼け止め」が計画比1.9倍 “面倒くさい”と感じる男性の心をつかんだワケ
サラサラの使用感が好評
VARON UV エアー プロテクターを5月に発売したところ、計画通りに推移しているという。 「既存のヴァロンのお客さまにダイレクトメールでご案内したところ、計画どおりに購入いただいています。百貨店では、来店者へのお試しやサンプル配布など販促を強化している『そごう横浜』などは想定以上に好調です」(サントリーウエルネス 西山氏) 百貨店での本格展開は2025年から開始しており、本製品は全国8店舗で扱っている。プロの販売員によるタッチアップやテスター使用を通じて、「ベタつかない」など言葉だけでは伝わりにくい使用感を体験できる場としているそうだ。 「使用感への反響は良く、実際、塗ったことを忘れるくらいサラサラしています。ゴルフをする利用者からは、『塗った後に顔などを触ってもゴルフクラブが滑らないので、プレーに支障が出ない』と喜ばれています。今後は、体験の強化としてホテルやゴルフ場、スポーツ施設などでのサンプリングを見込んでいます」(サントリーウエルネス 西山氏) ヴァロンでは、2026年度の販売計画として前年比111%の約70億円を見込んでおり、「VARON UV エアー プロテクター」は約5000万円を目標としているという。
男性の「日焼け止め」使用は定着するか
今後、「アネッサ マルチ コントロールUV ジェル」は、盛夏期に向けて「テカリ防止」を前面に打ち出しつつ、店舗でもより多面的に展開する予定だ。現状の課題としては、「認知向上」が挙げられるという。 「女性向け製品と比較すると、まだまだ認知向上の余地があります。男性に日焼け止めを使う習慣を広げるには、『紫外線防止』だけでなく、『テカリ防止』など、より目に見える価値訴求が求められます。そこを入り口にして紫外線防止の価値も伝えていくと、より習慣化につながりやすいと考えています」(資生堂 志田氏) 男性がスキンケアを行う理由について尋ねると、「清潔感が重要な要素になっているのではないか」と志田氏は考えを述べた。 「当社の意識調査によると、特に20~30代の若年層において、『清潔感がないと思われたくない』と考える人が増加しています。清潔感を高める手段として、『スキンケア』や『サンケア』が位置付けられるようになったのかなと。日焼け止めの使用率はまだ低いですが、意識変化が起こりつつあるのかもしれません」(資生堂 志田氏) サントリーウエルネスの西山氏も、「目に見える変化」の重要性に触れた。 「ヴァロンのお客さまはスキンケア初心者の方が多く、きちんと朝晩にケアをすることで『肌にハリが出る』『周囲に褒められる』といった変化を実感され、それが主な継続動機になっています。日焼け止めの市場拡大においては、美容意識の高まりに加えて、近年の温暖化で日差しが痛く感じたり、今まで以上に真っ赤に焼けてしまったりして、『サンケアしないとまずい』と感じる方が増えたのだろうと思います」(サントリーウエルネス 西山氏) 今後、日焼け止めを日常的に使う習慣を広げるには、いきなり「毎日塗る」ことを目指すより、まずはアウトドア時に適切に使用してもらうことから始めていくという。 「男性は日焼け止めを塗り慣れていない方も多く、塗りムラが生じるケースもあります。まずはゴルフなどのアウトドアで正しく使っていただけるようお伝えし、使用後の感想も聞きながら、徐々に使用頻度を高めてもらえればと考えています」(サントリーウエルネス 西山氏) 女性向けを含む日焼け止め製品は、機能性や特徴が多様化し、もはや夏季だけでなく年間を通じて売れる市場になっている。男性向け製品も同じ道をたどっていくのかもしれない。 (小林香織、フリーランスライター)
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