名古屋大学の学園祭で、自衛隊ブースの出展が直前になって中止された。
学生が主体の名大祭実行委員会が1月に出展を自衛隊愛知地方協力本部に依頼した。自衛隊の災害派遣活動への理解を深める展示が準備されていた。ところが、名大の職員組合中央執行委員会が中止を求める声明を出し出展はとりやめとなった。
立憲民主党の古賀千景参院議員による自衛隊と隊員、その家族を侮辱する発言があった。学園祭での出展妨害は古賀議員の暴言に並ぶ、信じがたい自衛隊差別である。
大学の主役である学生の行動を職員組合が妨害した点も深刻だ。学生主体の学園祭は広い意味で「学問の自由」「大学の自治」に関わる。それらを、こともあろうに大学の職員組合が傷つけたのだから、常軌を逸している。
大学側は「すべて責任は大学にある」と自衛隊に謝罪した。だが、それで済む話ではなかろう。元凶の職員組合はなんら反省の意を示していない。大学側は自衛隊排斥の経緯を詳(つまび)らかにし、学生の自由な表現を妨げた職員組合の責任を明らかにしてもらいたい。
防衛省・自衛隊がXで、関係者が丁寧に準備してきた出展が直前で見送られたとして「極めて遺憾」「看過できない」と投稿した。小泉進次郎防衛相もXで「大学の学園祭で自衛隊による災害派遣の活動紹介すら認めない」と嘆き、「発信を強化していく」とつづった。
名大の職員組合中央執行委員会は「自衛隊ブースの出展中止」を求めた声明で、「こうした手法は、自衛隊の本質が軍事組織であることを覆い隠」すものだと指摘し、「一面的な宣伝活動だ」と批判した。今後も「出展を認めない」とした。
共産党機関紙のしんぶん赤旗は「出展の中止は大学側の自主的な決定です」「自衛隊が『看過できない』と異を唱えるのは『大学の自治』への明白な侵害です」などと出展中止を擁護した。だが、左派色の濃い職員組合の不当な要求に大学当局が屈したのが真相であろう。
自衛隊は合憲で、国会が制定した自衛隊法に基づき存在している。国民の大多数が活動を支持している。自衛隊を意地悪く排斥する左派団体の偏狭さには辟易(へきえき)するほかない。