「ひとりで産むから」元夫の精子提供で「選択的シングルマザー」になった女性の葛藤「描いた幸せ像と違っても」
「いつか子どもができたら」と思い描いたジュリワタイさんの将来は、「卵子の数が同世代よりも少ない」と医師に告げられ、大きく変わり始めます。夫婦間で子どもに対する考え方にズレがあった当時、彼女が決断した道は、パートナーから精子提供を受けて「選択的シングルマザー」になることでした。 【写真】「かわいいドレス姿で親子でDJ」8歳になった娘さんとの今(6枚目/全9枚)
■「間に合わないかも…」35歳で突きつけられた現実 ──当時、婚姻関係にあった夫から精子提供を受けて娘さんを授かったジュリワタイさん。元夫が「子育てに関わらない」ことを前提に出産しました。元夫とはどういった関係だったのでしょうか?
ジュリワタイさん:元々友人関係から始まり、長い間、互いをよく知る間柄として結婚しました。ただ、結婚生活を続けるなかで「お互いが思い描いていた結婚の形にはズレがある」という話になって。仲違いしたわけではないのですが、結果的に別居婚という形をとることになりました。 その理由のひとつが、子どもを持つタイミングに対する考え方の違いでした。私は昔から子どもが欲しいと思っていたのですが、元夫は「今は考えられない」という感じが続いていて。でも育児をすることに対して否定的な意見は持っていないようでしたし、元夫のことは好きだったので、私としては「いつか考えは変わるだろう」と気楽に考えていた部分がありました。
──転機になったのは、30代半ばで婦人科へ行ったことだったそうですね。 ジュリワタイさん:年齢的な制限に対する焦りもあって婦人科で検査を受けると、卵胞刺激ホルモン(FSH)の値が高く、卵巣の機能停止が近いため、妊娠が簡単ではないと診断されたんです。「今どきは高齢出産も当たり前だし、大丈夫でしょ」と思っていたので、現実を一気に突きつけられた感じでした。「待っている時間はないかもしれない」と焦りましたし、「自分はどうしたいんだろう」と本気で考えました。
──最初から当時の夫に精子提供を依頼しようと考えていたのでしょうか? ジュリワタイさん:別の人と新しく出会って関係を築き、妊娠して…ということを考えると、新たなパートナーを探すことは時間的にも厳しいと思いました。それ以外にも、離婚して第三者から精子提供を受けることについて調べたんです。でも当時私が調べた情報だと、日本産婦人科学会のガイドライン上はそもそも法律婚をしている夫婦間でしか精子提供を受けることができないということでした。