コラム:REIT同士の売買は、なぜ成立するのか?
2026年6月8日、KDX不動産投資法人が保有する「ライフ高殿店(底地)」を、阪急阪神リート投資法人が取得するリリースが出ました。
売買価格は36.9億円。
売り手と買い手がともに上場REITというのが、この取引の面白いところ。
なぜなら、
売り側としては、鑑定価格以上で売らないといけないし、
買い側としては、鑑定価格以下で買わないといけない
というのが基本的なルールだから。
はたして、この36.9億円という価格は適正なのでしょうか?
今回の取引の概要
物件は大阪市旭区にある食品スーパー「ライフ」の底地です。
KDXリートが保有していたこの物件を、
阪急阪神リートが36.9億円で購入します。
決済・引き渡しは2026年12月1日の予定で、いわゆる「フォワード・コミットメント」と呼ばれる、先んじて売買契約を結んで、日が空いてから決済する形です。
KDXリートにとっては、簿価33.6億円を上回る価格での売却となり、約3億3,000万円の売却益が見込めます。
売却の理由として、インフレ環境下でも底地という性質上、賃料の上昇余地が小さいと判断したことが挙げられています。底地契約は、中々賃料増額できる条項を入れ込みにくいので、仕方ないですね。
一方、阪急阪神リートは関西圏の地域密着型商業施設への投資という方針に合致するとして取得を決定しました。インフレ対応大丈夫かな?
ちなみに、KDXリート(旧ケネディクス商業リート)が本物件を2022年に取得した時から物件の収益力は上がっているようです。
固定資産税の上昇はあったでしょうから、それを上回る分だけど増賃が出来たということでしょう。
元データ
元データ
REITの「鑑定ルール」とは
ここで、冒頭の文章をおさらい。
売り側としては、鑑定価格以上で売らないといけないし、
買い側としては、鑑定価格以下で買わないといけない
REIT間売買では、このハードルを乗り越えなければいけません。
REITが物件を売買する際、多くの場合、社内ルールとして
「取得価格は鑑定評価額以下」
「売却価格は鑑定評価額以上」
という縛りがあります。
投資家保護の観点から、割高な買い物や割安な売却をしていないことを客観的に証明するための仕組みです。
今回で確認してみると、阪急阪神リート(買い手)の鑑定評価額は38.6億で、取得価格の36.9億を上回っています。
KDXリート(売り手)の鑑定評価額は35.2億で、売却価格36.9億はこれを上回っています。
ルール上はどちらも問題なし、ということです。
なぜREIT間での売買が成立するのか
ここで一つ疑問が浮かびますよね。
「鑑定評価額以下で買って、鑑定評価額以上で売る」というルールが双方にあるのに、なぜ同じ物件でREIT間の売買が成立するのでしょうか。
答えは、
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