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茨城・古河老健殺人 元職員に無期求刑 弁護側「動機証明なし」 検察側「意思は明らか」 水戸地裁



茨城県古河市の介護老人保健施設で2020年、入所者2人の体内に空気を入れ殺害したとして、殺人などの罪に問われた元職員で同市、赤間恵美被告(40)の裁判員裁判論告求刑公判が18日、水戸地裁(山崎威裁判長)で開かれ、検察側は「殺害しやすい状況の高齢者を無作為に選んだ理不尽な犯行」として無期懲役を求刑した。殺人2件で無罪を主張する弁護側は「仮に有罪だとしても、事件の動機や経緯は何も証明されていない」として刑の減軽を求めた。判決は7月7日。

検察側は論告で、被害者とされる2人の男性を殺害した具体的な動機は見当たらず「点滴から空気を注入できる状態で狙いやすかった以外の事情を想定しがたい」と述べた。

その上で、家庭の事情でブランクのある看護師として働かざるを得ず、職場の不満を精神科医に吐露しており、「ストレスから八つ当たりのように殺害したのは余りに理不尽」と非難した。

要介護高齢者を狙い、用意したシリンジ(注射筒)で隙を見て多量の空気を注入した点から計画性は十分に認められ、「殺害に向けた強固な意思は明らか。弱者に対するあわれみのかけらもない犯行」と強調。亡くなる兆候などが一切なかった2人について「味わった苦痛や恐怖、無念は察するに余りある」と被害結果は重大とした。

死刑求刑の可能性に言及する場面もあった。被害者が2人または1人だった殺人事件の量刑傾向と今回の事件を比べ「有期懲役を選択することはあり得ず、無期懲役以上が相当」と主張。被害者2人の殺人事件でも死刑の事例はあったが例外的であり、「この点は慎重な判断が必要」として無期懲役を求めた。

弁護側は最終弁論で、具体的な量刑に触れず「刑の重さを考える上で重要な事件の動機や計画性が全く証明されていない」と繰り返し、「不確かなことで人を重く処罰してはいけない」と訴えた。被告は境界知能や発達障害の傾向があるとし、「殺人2件の量刑に何らかの影響を与えるか考えなければならない」と投げかけ、「一日でも早く家族の元に戻れるような判決を求める」と締めくくった。

起訴状などによると、被告は同市の老健施設「けやきの舎(いえ)」で20年5月30日に鈴木喜作さん=当時(84)=に、同7月6日に吉田節次さん=当時(76)=に、いずれも点滴用チューブにシリンジをつないで空気を注入し、空気塞栓(そくせん)による急性循環不全で殺害したとされる。

被告は21年11月、スーパーで牛肉など計5000円相当を万引したとして窃盗の罪にも問われ、起訴内容を認めている。



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