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ネット詩人の互助会──とあるツイキャス配信に寄せて

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 No more beating my brains
 With liquor and drugs -"Lust For LIfe"- / Igge Pop

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 最近、ネット詩界隈は『B-REVIEW』の解散、『文学極道』の全ログ消滅で片がついたらしい。『現代詩フォーラム』は旧態依然としていて、『CWS』からは出禁を喰らったわが身としては、そろそろネット詩の世界がゾンビたちの溜まり場になりつつあるというのが全体を通しての見立てだ。スペースや、ツイキャスに巣くうひとびとや、discordの集まりにも縁がないわたしはいまのところ、2024年の詩集で、詩人としての人生に終止符を打ち、エフトゥシェンコの云うところの《詩人の人生、それはかれの詩作品をいう。それ以外は注釈に過ぎない》の、注釈の部分を歌人兼ソングライターとして生きている。
 長年つき合いのあった三浦果実氏は音信不通。かれはなにも応えてくれない。気がつけば3月を最後に交流がない。そんなとき、偶然にもクヮン・アイ・ユウ氏のツイキャスに参加しているのを見つけた。議題は〈歌詞〉で、拙作『kaze-bungaku』もとりあげられていた。ただ、そのことがわたしを不機嫌にさせた。わたしの友人を自称するかれがわたしに何の連絡もなく、かげでこそこそやるみたいにわたしやわたしの作品について喋っていたのと、その場に集まったネット詩人たちの、あまりに退屈な発言に胸がわるくなった。かれらはものを語るに充分な語彙を持たなかったし、歌詞のおなじ箇所や部分部分をあげつらったコメントしかできず、本来楽曲と不可分であるはずの歌詞をただの辞としか見えてなかった。あとは個人的な思い入れや、感情レベルの云い合いでしかなく、これは一文の隙もなく、批評性の欠如を表していた。言葉尻を捉えて語るのはだれにだってできるが、全体を俯瞰して、本質を云い表すことこそ詩人の仕事ではなかったか。
 『歌謡曲人間』を自称していた寺山修司だって、些末な感想などはせず、歌詞を実人生の補完として読み直すことによって、かれ自身の呪学をつづって来たはずである。書けない・読めないのひとびとがともに寄り添いお互いを肯定し合いながら、その皮膚感覚を鈍磨させてゆくさまはかれら自身のスタイルの欠如と同期していて、まさに互いの腋の下を嘗め合っているだけだ。むかし「読めないやつは書けない、書けないやつは読めない」と発言したイカイカというネット詩人がいた。かれはもうその界隈から降りてしまったが、かれらがその典型だ。口先で褒め、口先で貶してる。物事の本質とはちがう場所に足をとられてしまっている。三浦氏にしても、いつまでもネット詩人の互助会みたいなところで旗振り役をしているのはどうかとおもう。ブコウスキーは《スタイルを持つということは、多くのひとのなかでたったひとりになることだ》と「スタイル」という詩に書いている。しかし、それを三浦氏は「スタイルを持つには孤独になれ」と憶えまちがいして、さらにわたしの発言だとおもっている、そしてそれを周囲に披露している。またも思い入れで発言していて、その外部に想像力が及ばないのだ。《きみらになにもわかってたまるかと》という拙作のくだりについて熱っぽく語ってはいるのだが、そこに論理がない。あるいは、こう云っていい、じぶんの実人生との接点を想像できてないのだ。だから、かれがなにを云っても馴れ合いにしかならない。
 おまる太郎という男はおれについて「コメントに返信してくれない」、「カッコつけてる」、「ガチギレされた」、挙げ句に「天然だ」と云っていたが、冗談じゃない。かれはいつもふざけたコメントを、ふざけた態度する非礼な人間で、もちろんのこと批評ができていない。それにかれ自身に語るべき作品がないから、こちらから手をつけないだけだ。つくづく被害者意識がつよい。三浦氏は「天然」という一語に同感していたが、けっきょくはかれも人間が見えていないから的外れな代名詞で以てして相手を理解した気分になっているなのだ。ひょっとしてかれらが配信について、おれに一言もなかったのはかれらの連帯意識に因るものかも知れない。べつにこれからもそうしたいのなら、それでいいが、じぶんたちの批評性の欠如が図らずもじぶんたちを仲間たらしめていることに眼を向けるべきだろう。それなら少しくらいマシなことが云えるかも知れない。かれらが詩人を名乗る根拠がわたしには見えない。書くことよりも、ムダに喋りすぎで、作品のアーカイヴすらない。自作を出版しようともしないし、じぶんの詩人生の総括から、なにより逃げている。おそらくそういった空疎な私性の拠り所が〈詩人〉であるに過ぎないのだ。そこに論理はいらないからだ。だからああいった寄り合いが必要不可欠になっていくのだろう。わたしには関係ないことだ。

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 あるいはこうも考えられる。わたしが単純に拗ね者で、三浦氏に依存していた。そして集えるものたちを妬んでいるとも。一匹狼のきびしさに耐えかねて恨み節を語っているだけだとも。しかし長い孤立を代償に得たものがスタイルというものなら、それを甘受することでしか詩の実現と実存は果たし得なかったのではないかと。まあ、ともかく、かつてのように三浦氏と馬鹿話に興じる気にはなれない。怒ってるとか、失望したとか、残念とかではなく、そういう心境に変化しただけだ。

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『kaze-bungaku』作詞・作曲:中田満帆

 悪態の果て みずからを抱き
 黙りこくって 見送った車窓
 見知らぬ背中 降り立った駅が
 遠くかのひとの おもざしを見せる

 相づちもなくさまようがままの
 溶けだしていく 輪郭はちかい
 便りはぜんぶ 破られてしまえ
 きみらになにもわかってたまるかと

  冬の外気 たちむかうはずも
  冬の外気 あっさりと打たれ
  首をふった、屈辱の果ての
  そこにはなにもない

 二月のかぜの文学はいつも
 過ぎ去ってったひとみたく淡く
 二月のかぜの文学はいずれ
 孤立のなかの手のひらに溶ける

 鴎が飛んだ 質問の一羽
 回答もせずに見送っただけさ
 右へ左へと飛ばされるたびに
 ぶ厚いかぜの壁を蹴りあげる

  アベローネ、もはや、きみのことを
  アベローネ、ぼくは書きはしない
  手をふった、むこうにはだれも
  むこうにはだれもない

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 歌詞はわたしにとって人生への処方箋のようなものだ。それは適合・不適合の差がとても激しい。じぶんの書く歌詞は意味よりもヴィジョンに重きを置いてきた。思想だとか、メッセージの犠牲には決してしなかったジャンルだ。それは主張もなく、音楽の飛距離を伸ばすための筋肉のバネのようなものである。
 この曲は2013年、最初に2番の冒頭2行《二月のかぜの文学はいつも/過ぎ去ってったひとみたく淡く》が浮かんで、慌ててギターをとり、弾きながら2番を完成させた。そのあと1番をつくったわけだが、長らく最初の1行は《降り積む憂鬱/しどけなくゆるい》だった。2017年のデモでいまのかたちになり、2018年に再録音、EP『kaze-bungaku 5 demo tracks』に収録した。構成・編曲についてはbloodthirsty butchers『Augast/8月』を参考にした。文中の「アベローネ」云々は、リルケ『マルテの手記』からの引用である。──《アベローネ、ぼくはもはやきみのことを書かない》。

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コメント

7
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つつみ

この度は不快な思いをさせてしまい申し訳ないです。 いろいろな経緯を知らない部分についてはよくわからないところがあるので、語れませんが ここでは、中田満帆さんの「kaze-bungaku」への私のコメントについてのみ。 私なりに感じたことを素直に述べたつもりでした。 でも、中田さんを不…

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中田満帆
@つつみ さん

コメントありがとうございます。批評そのものに許可は不要です。ご自由に書いてください。その批評が独立した作品になるのを願っています。

横田英博のプロフィールへのリンク
横田英博

クヮン・アイ・ユウってそんなやつだったのか。胡散臭いとは思っていたが、やっぱり胡散臭い。それより、三浦ってキ●●イはまだ生きてるのか。とんでもない連中だ。

ネット詩人の互助会──とあるツイキャス配信に寄せて|中田満帆
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