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趣味の共有。彼ジャケットを添えて。/Novel by しいな

趣味の共有。彼ジャケットを添えて。

4,583 character(s)9 mins

篤寛です。
日車は呪術師してます。交際同棲済み。
伊地知さんが美味しいおもいをします。  

補足
・王道の釣りに行ってもらいました。
・あつやのジャケットが小さくなったわけじゃない。あつやの胸と肩がでかくなったんだ。
・あつやの服装は、黒の防水のアウトドアブランドのフード付きジャンバーに、釣り用のポケットいっぱいのベスト、カーキのカーゴパンツです。普段スーツでも絶対私服はカジュアルだ。ぶっといパンツとでかくて重い上着着てて欲しい
・30代後半にギリギリ着せられるかわいい服装とは?わかづくりは頂けない。年齢相応・尚且つ可愛くなくてはいけない。パーカーは無理?あり?デニム生地でハリあるならギリ?似合う?のか??
AIに投げて着せてもらったらめちゃかわ日車ができたので満足です。

・私もあつやのアジの南蛮漬け食べたい。

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「あっ!あっ!篤也、あっ、まっ、どどどうしたら!ゔあああああ!!」
「落ち着け大丈夫だから!ちょっ!どこ行く!!」


“明日は休みだ、仕事もない〜♪”
高専の廊下で脳内で平成の有名な曲を流す。
早起きはするんだけどな〜。昼まで寝るのも良いけど、明日は同じく休みのアイツを朝から連れて行きたい場所がある。まだ伝えてないが、俺の中では確定だ。
口の中の飴をコロコロしながら、曲の続きを頭の中で流す。
向かいから歩いてきた伊地知に挨拶される。

「日下部さん。任務お疲れ様でした。…なにか機嫌よさそうですね。」
「よぉ、お疲れ。伊地知。まぁなー。」
「あぁ、明日はお休みでしたね。ごゆっくりお過ごし下さい。」
「そーいや、お前って明日、高専いる?
「はい、1日その予定ですが。」
「明日調子良ければ、また持って来る。」
「あっ、行かれるんですね。いつもありがとうございます。」
「おー。」

ニカッと笑う日下部に、
信じられないぐらい上機嫌だ…と驚くが深くは聞かないことにして、解散した。


帰宅し夕飯後に、日車に明日の予定を伝える。
「明日、釣り行かないか?アンタ気になってるって言ってたろ?」

確定だが、一応聞いてみる。

「確かに言ったが、俺は道具なんてないぞ。」
「俺のあるから問題ない。」
「君のものを触って良いのか?」
「んな刀じゃないし、大層なものじゃねぇよ。行こうと思ってる場所は、初心者でも安全で設備が整ってる所だ。そんなに道具もいらないしな。」
「ふむ、分かった。ありがとう。何時に出ようか。」
「5時。」
「…随分早いな。」
「釣りって言ったら、朝一なの。その時間帯も結構いるぞ。だから明日は早起きな。」
「…そういうものなんだな。準備は?」
「もう車に大体の道具は積んである。あっ服装は汚れても楽に洗えるやつにしろよ。あと結構眩しいかもだから帽子とサングラスあるか?」
「今、手元にはないな。」
「あーなら俺の帽子好きなの…あれなら似合いそうだな。それと上着もコートしかないだろ。俺の小さくなったのあるからそれ着てけ。つかちょっと俺の部屋来い。」

開けっぱなしの俺の部屋に入り、クローゼットを開ける。こいつ似合うんだが、綺麗めな服しかないんだよな〜それが魚で汚れるのは俺が嫌。ラフに楽しんで欲しいし、なんかないかな。流石に下はサイズ合わないから日車ので…あっ、チノパンは持ってたはずだ。上はこれなんかどうだろうか。

「あつや、これ、大きいな。」

どれなら日車のサイズに合うかと見繕っていたら、後から入ってきた日車が何故か俺のカーキ色のカモフラジャケットを着ていた。
おぉっ?!え、いつの間に着たんだ?
硬めの生地で厚手な為、形がしっかりしてるジャケットだ。日車が着ると、肩も、袖も、丈もオーバーだ。

「ふふ、指先しかでない。」

口元に手をやってくすっ笑う。
日車の雰囲気にもスタイルにも似合わない、ぶかぶかで迷彩柄したジャケット。
とてつもない“俺の”感。

「アンタさぁ、もう……。」

たまらず顔を片手で押さえて天をあおぐ。

「君、こういうの好きだろ。」
「好きです…。」
「ほら、全身、君の好みにしてくれ。」
「……その前にいいことしねぇ?」

返事を待つ前に日車を抱き抱えてベットへ投げた。

「ふ、はははっ、君はかわいいな!」
「明日、早いからちょっとだけな。ちょっとだけ。」
「ふふ、好きにしてくれて構わない。」
「またそーやって煽る〜。」

お互いに見合わせて笑い、夜が過ぎてった。


「…まぶしい……。」
「ほら、サングラスしとけ。」

俺の運転用のブラウンのサングラスを日車に渡すとちゃっとかけシートに沈んだ。
この時間帯は朝日が出始めな為、丁度車内にオレンジの光が差し込む。叩き起こした日車にはまだ正面から入る朝日が厳しいようだ。黒のバケットハットを深めに被りサングラスする事で、眠気が残る目から眩い光を遮断している。
結局昨晩はちょっとでは済まず、それなりに盛り上がってしまったので、少し寝不足気味だ。
そんな中俺はウキウキしながら運転している。

「おにぎりもあるからな。食べたくなったら言えよ。」
「後にする…。」

まだ日車は食欲が湧かなそうだが俺は運転しながら食べる。アイツもそのうち腹減ったら食べるだろ。
ちなみに日車は朝、俺が渡した服をそのまま着ている。
上着はハーフボタンのデニムパーカージャケット
中はネイビーのワッフル編みラグランの長袖に、生成りのチノパン。
靴はチノパンと同じ生成り色のスニーカーだ。
上半身は俺のを着せてるので、少し丈が長い。
ボトムスが日車の自前でサイズに合った物でスッキリしている為か、…こちらも結局“俺の”感がでてしまった。
…落ち着いた色味で似合ってるが、あんまり人に見せたくねぇなぁ。かわいい。つい赤信号でチラチラ見てしまう。
そうこうして、今日の釣り場に着いた。
寝ていた恋人は停車すると起きたようで、ひとつあくびをしていた。

「ふぁ…はぅ。……つい…君の香りがして、寝てしまったな。あつや、運転ありがとう。」
「……イイヨッ。」

っつ〜〜〜!!!ナニソレ!!まだ目パシパシしてるじゃん!ふにゃっと笑うな!つか俺の服着て眠くなるって安心するってコト??俺そんなにアンタの中入ってるの???心臓もたねぇ〜〜〜
ざわつく心臓を落ち着かせる為、外を眺めるふりをして顔を手で隠した。

「きみは、かわいいな。あつや。」

日車がなにか言ったようだが、俺には聞こえなかった。

呼吸を整えて車外にでると、朝一のおかげかそんなに人はおらず、2・3人釣りをしたり、散歩している人がいるぐらいだ。
ここは公園と釣り場が一緒になっていて、海の前にはフェンスがある為落ちることはない。ファミリー層や初心者も釣りが楽しめるようになっているため人気スポットだ。
一応、駐車場から離れた場所まで行き、人目から遠いところに拠点を置いた。
朝一で来たのには2人で楽しみたかったから。
こういう独占欲はコイツに出会ってから己の中で発見したことだ。要は、他の人間にコイツを見られたく無い。
いい年したオッサンがみっともないが、仕方がない。日車にバレるまで黙っておく。
ガチャガチャと荷物を置き、早速一つの竿を組み立て糸を通し、針先に餌をつける。

「て、手際がいいな。趣味と言ってるだけはある。…しかし、この虫はなんなんだ。」
「ワーム。」

うねうねした生き餌に少し引いるようだ。
疑似餌もあるけど、今日はこれにした。

「ホレ、見てろよ。下に落ちてもいいんだけど奥の方になげるからよ。」

シュッと軽く竿を振り、20mほど離れたところに浮きがちゃぽっと一瞬沈み、浮かんだ。
少しずつリールを巻く。

「結構飛ぶんだな。」
「アンタならすぐできるようになるよ。おっ、来たぞ。」

糸がピンっと張り振動が伝わってくる。
やっぱりここは早えな。正直釣りは釣れても釣れなくてもいいんだが、今日はいいところ見せたい。男だもん。好きなやつにはかっこいいと思われたい。
さっそく今日一発目のヒット。アジ。針をとり、氷を入れたクーラーボックスに入れる。

「早い…。すごいな君は。」
「おー。アンタもやってみな。」
「ん、なんだ……こうか?」

日車は見よう見真似で竿を振った。
ちゃぽっと落ちたのは5m先。上から見るとすぐ下だ。

「…ふふ、なるほどな。これは失敗か?」
「いや、うーん、魚見えるし、入れてたら?結構手前でもいるもんだ。」
「そうか。」

ちゃぽちゃぽと上下する浮きを2人で眺める。
さっきまで真横にいた太陽は少し昇り海面をキラキラと反射していた。
日車の横顔を見ると、俺のサングラス越しに真剣に水面を見つめている。ほぼ全身俺の服で、俺の趣味を真剣に一緒にしてくれる恋人。あー愛しい。癒される。さっそく連れてきて良かったと思った。
するとクンっと日車の竿が振れる。
おっヒットか。

「あ、引いてる気がする。どうしたらいいんだ?!」
「リール巻け巻け。」

リールを巻き、海面から出てきたのはシャコだ。そのままの勢いで巻いたため、ぐんっとこちらにシャコが飛んできた。
日車が絶叫する。

「あっ!あっ!篤也、あっ、まっ、どどどうしたら!ゔあああああ!!」
「落ち着け!大丈夫だから!ちょっ!どこ行くんだ!!あーもー竿置け!!」

竿を持った日車が右往左往して、シャコから逃げる。
どうにか竿を置いて地面で跳ねるシャコを針から外した。

「はっ、はあっ、びっくりした。こっちに向かってくるなんて聞いてない。」
「そりゃ引っ張ったら飛んでくるでしょうよ。」
「…餌つけと、針外すの君がやってくれないか?」
「はは、いいぜ。」

他では頼り甲斐がある先生のお望みならなんでも聞きたくなる。わがまま聞ける特権だ。
こうして、クーラーボックスがいっぱいになるまで俺らは釣りを楽しんだ。
意外と獲れたな…冷蔵庫に入るか?
まぁいい渡す所はあるからな。

昼はその辺でさっと外食し、13時には家に帰ってきた。

「あつや、たくさん獲れたな。楽しくなって獲れたのはいいが、どうするんだこの量?」
「いまから下処理と加工するから大丈夫だ。ちなみに何食べたい?」
「アジが多いんだよな?…アジフライ?」
「それしか思いつきませんって言う顔だな。分かったよ。あと休んでな。疲れたろ?」
「んん、運転、君がやってくれたから大丈夫だ。…手伝うと言いたいところだが、俺は君が捌くところを見ていたい。」
「…面白いもんはないけど、どうぞ。」

さぁ、ちゃちゃっとやっちまうか。


呼び出され、指定場所に向かうと既に車が到着しており、小走りで駆け寄る。
「お疲れ様です。いつもありがとうございます。…こちら頂きますね。」
「おー、生物は冷蔵庫入れとけよ。じゃあな。」
エンジンも切らず窓越しにビニール袋を出され、受け取ると、さっと行ってしまった。
…今日は2人で行かれたんだ。…助手席にカジュアルな日車さんが居たなぁ。いや休みの日ことを考えるのは無粋だ、やめておこう。
受け取った袋を持ちながら事務所へ戻る。
伊地知さんそれどうしたんですか?と冷蔵庫に入れようとした時に他の補助監督から声をかけられた。

「日下部一級術師から、お裾分けを頂きました。結構あるので後で一緒にどうですか?」
「ありがとうございます!中身はなんですか?」
「どうやら、お造りと煮付け、南蛮漬けのようですね。」
「えっ!やった!嬉しい!!今日お休みでしたもんね!大漁ばんざい!私、日下部一級術師の南蛮漬け大好き!
この後の夜勤もがんばれそうです!」

日下部さんの趣味が釣りなのは周知の事実。
休みの日、たまに食べきれないからとおすそ分けをくれるのである。きっと今日は2人分釣れて大漁だったのだろう。
そして、暇のない私たちにはすぐ食べれるように処理し、調理済みのものを持ってきてくれる。疲れた心身に新鮮で気持ちが入ってる料理は何よりの栄養となる。
まだ煮付けが温かい。手のひらにじんわり伝わる熱に口元がほころんだ。



Comments

  • ぷっぷ
    Jun 12th
  • narrプロフ必読1\1加筆。

    きゃっきゃっする篤寛と彼シャツに浮かれる篤は大好きですが、篤の優しさのおこぼれをもらう補助監督も大好きです💕ありがとうございます😊

    Jun 5th
  • ミッキー
    May 22nd
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