「逆襲のスガキヤ」大量閉店のりこえて関東殴り込み…V字回復を実現させた「収益改善の3手」

2026年6月15日、名古屋発祥のラーメンチェーン「スガキヤ」を運営するスガキコシステムズが、約20年ぶりの関東再進出を発表した。今秋から冬にかけて神奈川県へ2店舗を出し、3年で関東50店舗、長期ではグループ全体で1000店舗を目指すという。

公式X(旧ツイッター)が、新幹線や観覧車、赤レンガ倉庫を描いた横浜みなとみらい風のイラストとともに「関東の皆さま、お待たせしました」と告知すると、「スガキヤ」はトレンド首位に躍り出た。

発表直後のSNSは、お祭り騒ぎになった。「やったー」「通います」「待ってました」──公式Xの投稿には数千件のリプライがつき、一部メディアも「うれしすぎて仕事にならない」といった反応を相次いで取り上げた。とりわけ熱かったのは、東海から関東へ移り住んだ人たちだ。「東京に出てから食べられなくて寂しかった」「子どもの頃の思い出の味」──郷愁の声が、タイムラインを埋めていった。

「1000店舗構想」の成否を占う、最初の試金石

画像/「スガキヤ」公式Xより引用
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発表は、創業80周年を機にした新体制への移行と同時だった。6月24日付で、現専務取締役の菅木寿一氏が社長に、現社長の菅木伸一氏が会長に就く。1000店舗構想と関東再進出は、新社長が掲げる看板政策である。

興味深いのは、その熱量の正体だ。多くの投稿が口を揃える。スガキヤは「おいしいラーメン」というより「スガキヤという食べ物」であり、東海の人間にとっては“概念”なのだ、と。味の実力を競うのではなく、放課後やフードコートの記憶ごと愛されている。だからこそ、この熱狂は本物だが、関東では話が違う。

LINEリサーチの調査でも、中部地方の「好きなラーメンチェーン」ではスガキヤが堂々の1位。ところが関東では、上位5チェーンに名前すら挙がらない。東海の絶対王者は、関東ではほぼ無名なのだ。

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今回の再進出は、単なる地方チェーンの商圏拡大ではない。創業80周年を迎えたスガキヤが掲げる「1000店舗構想」の成否を占う、最初の試金石である。

ワンコインでお釣りがくる和風とんこつラーメンと、子どもが喜ぶソフトクリーム。東海地方のショッピングセンターのフードコートで、半世紀にわたって親しまれてきたあの「スーちゃん」が、なぜいま、強固な地盤の外へ打って出るのか。

背景には、一度は「消滅」すら噂された会社の、地味だが確かな立て直しがある。

スガキヤにとって、関東は完全な未開の地ではない。かつて首都圏にも店を構えたが、自社工場からの配送網が届きにくい遠隔地ほど採算が合わず、いったんは撤退した経緯がある。今回の再進出は、その「敗戦」を踏まえたうえでの再挑戦だ。だからこそ、ここに至るまでの数年間で、この会社が何をしてきたのかを順に見ていく必要がある。

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