写真/筆者撮影
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「名古屋の文化が死ぬ」2019年の大量閉店

時計の針を、いったん戻す。

2019年、スガキヤは半年で全店舗の約1割にあたる36店舗を一気に閉めた。材料費、人件費、光熱費という三重のコスト増が収益を圧迫し、赤字店の閉鎖に踏み切ったのである。地元の交流サイトでは「スガキヤが消える」「名古屋の文化が死ぬ」という声があふれ、ちょっとした騒ぎになった。

だが、これは倒産の前兆ではなかった。むしろ、立て直しの第一歩だった。

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報道の多くは「衰退」の文脈で語られた。しかし、閉じられたのは主に、客足が細っていた店や、配送効率の悪い立地の店である。残す店と畳む店を選別し、強い店に資源を寄せる──いわゆる選択と集中だ。痛みを伴う決断を、スガキヤは先送りせずに下した。問題は、その先に何を積み上げたかである。

企業の利益を増やす方法は、突き詰めると3つしかない

企業が利益を改善する方法は、煎じ詰めれば3つしかない。①固定費を下げる。②変動費率を下げる。③売上を増やす。どんな業種でも、どんな規模でも、利益改善はこの3つの組み合わせに収斂する。スガキヤの再建は、ほぼこの3つが①から③の順番で進んだ。

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まず手をつけたのが、①固定費である。

当時、外食業界全体が深刻な人手不足にあった。客が来ても現場を回す人間が足りない。赤字店舗を維持するために黒字店舗から人材を引き抜き、共倒れしかけていた。そこでスガキヤは不採算店舗を切り離し、浮いた人材を黒字店舗へ集中投下した。人的資源の再配置である。現場の生産性を最大化しつつ、不採算店舗という固定費の塊を取り除き、損益分岐点を構造ごと引き下げたのである。

ただし、この効果はすぐには表れない。

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