経済・社会

2022.03.15 16:30

「女性は戦争をしない」 シェリル・サンドバーグの主張は正しいのか

シェリル・サンドバーグ(Drew Angerer/Getty Images)

シェリル・サンドバーグ(Drew Angerer/Getty Images)

大手SNSフェイスブックを運営する米メタのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)は、8日の国際女性デーのイベントでCNBCテレビに対し、もしロシアとウクライナの首脳がいずれも女性だったら、両国は戦争を起こさなかっただろうと語った。サンドバーグは「女性が率いる2国間では、戦争は絶対に起きない」と断言。しかし、これまでの研究結果や歴史をみてみると、この考えは誤りかもしれないことが分かる。

男女の特性に関する心理学研究では、サンドバーグの主張を裏付ける結果が出ている。女性リーダーは男性リーダーよりも協調的な傾向にある証拠は多く、女性は一般的に共感力も高い。これに対し、男性は幼少時から攻撃性が強い。

歴史学者や政治学者は、戦争を引き起こす主な要因として自信過剰があることを指摘してきた。心理学研究では、男性の方が女性よりも自信過剰になりやすいことが分かっている。現在のウクライナ紛争について、識者たちの間では、ロシア側の戦況はプーチン大統領が予想していたよりも厳しいものとなっており、プーチンの自信過剰がウクライナ侵攻の一因となったとの見方が出ている。

ただ、男性は攻撃的で自信過剰、女性は協調的で共感力が高いという傾向は、国家首脳にそのまま当てはまらないかもしれない。女性首脳の場合、「女性らしい」女性は選別過程で淘汰され、「男性らしい」特性を持つ女性のみがその地位に就いている可能性がある。

首脳の座に就いた女性は、攻撃性に欠けて軍事面にも弱いという女性の固定概念を打破するため、自分の力を証明する必要に迫られる。ある研究では、女性首脳は国際的な軍事危機に際して特に強硬な振る舞いをし、女性は弱いという固定観念に抗う傾向があることが示された。同じ理由により、女性リーダーは脅威に直面しても引き下がれない傾向にある。

1875年〜2004年の各国首脳を対象に、侵略行為における男女間の差を統計的に分析した書籍『Why Leaders Fight(リーダーはなぜ戦うのか)』によると、武力紛争を少なくとも1回起こした首脳の割合は、女性で36%だったのに対し、男性は30%だった。

ただし同著は、これは女性の方が概して攻撃的だという意味ではないとし、男性による侵略行為は694件、戦争は86件だったのに対し、女性は侵略行為が13件、戦争はインドのインディラ・ガンディー首相による1件のみだったと指摘。女性首脳のリスクは男性首脳と同様である可能性が高いと結論づけている。
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編集=遠藤宗生

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ビジネス

2020.12.09 06:30

コロナ後も「二度と戻ってこない」職業とは?

Getty Images

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新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)により多くの職業が一時停止を強いられたが、中にはコロナ収束後も二度と戻ってこないかもしれないものもある。

米キャリア情報サイトのグラスドアが発表した報告書「Workplace Trends 2021(職場のトレンド 2021)」によると、緊急性がなく、コロナ収束後まで延期できる選択的医療分野での求人広告は激減。最も影響を受けた職業は聴覚専門医(オーディオロジスト)で、グラスドア上の求人は70%減った。

米国聴覚学会(AAA)のアンジェラ・シュープ会長は、聴覚専門医が長期の一時帰休を言い渡されたり、開業していたクリニックを閉じて早期引退したりしたとの話を聞いているという。また、聴覚学の分野で就職活動をしている大学新卒者の多くは、大きな施設では採用を行なっていないと告げられているとのことだ。

眼鏡技師や理学療法士の求人も、それぞれ61%と40%減少。また、総務や低スキルの事務職も不足している。コロナ後のリスクが2番目に高い仕事は、求人が69%減ったイベントコーディネーターだ。また大半のオフィスが閉鎖されていることから、秘書の求人は55%減、人事一般職は37%減、受付係は35%減となった。

【関連】コロナ後の米国で人手不足、失業者が急いで動かない理由とは

当然ながら、個人向けサービス職も激減した。最も厳しい状況にあるのはビューティーコンサルタントで、求人は53%減少。ホテルなどのバレーサービス係は51%減っていた。

グラスドアの首席エコノミストであるアンドルー・チェンバレンは「(こうした仕事は)新型コロナウイルス感染症に先行きが左右されている」と指摘。「人々はウイルスが収束するまで、以前のようにネイルサロンに行ったり、任意のレーシック手術を受けたり、対面で行われるイベントに行ったりはしない」と述べた。

チェンバレンいわく、任意の医療やイベント、個人向けサービスの仕事がコロナ収束後に完全に消えるわけではないが、回復に時間がかかることは必至だ。ただ、一部の仕事は永遠になくなる可能性があるという。

例えば、作業の多くが自動化されてきた管理アシスタント職は将来消えるかもしれない。コロナ収束後もオンラインショッピングの需要が残ることで、ブランドアンバサダーも過去のものとなる可能性がある。
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編集=遠藤宗生

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テクノロジー

2019.10.08 16:30

史上最も危険な「iPhone接続ケーブル」が発売、悪用の懸念

content_creator / Shutterstock.com

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iPhoneに遠隔からハッキングできるLightningケーブルが発売された。「OMGケーブル」という名称のこの製品は、外見も機能もアップルの純正ケーブルと変わらない。

OMGケーブルは、今年8月にハッカーの祭典「Def Con」で発表され、現在は量産化が進められている。このケーブルは近隣にいるハッカーが、ケーブル内部に仕込まれたワイヤレス機能を使って端末にアクセスすることを可能にする。

この様な製品は従来、ダークウェブなどで密かに取り扱われていたが、OMGは公に販売されており、「Hak5」での価格は100ドル程度だ。サイトの製品説明には、「非常に悪意のあるUSBケーブル。ケーブルを接続した途端、内部のワイヤレスネットワーク・インターフェースを通じてデバイスをコントロール可能になる」と記載されている。

Def Conでは、OMGケーブルを開発したMike Grover(通称MG)が最大300フィート(約90メートル)離れた場所からデバイスにアクセスすることができると説明した。また、周辺のワイヤレスネットワークのクライアントとして設定すれば、アクセスできる距離は無制限になるという。

Hak5によると、ケーブルは証拠隠滅のためにファームウェアを消去することができ、これを実行すると全く無害のケーブルになる。

セキュリティショーでは、これまでにもスマートデバイスにアクセスできる危険な充電ケーブルが紹介されてきたが、原理はOMGケーブルと同じだ。OMGケーブルは、善良なユーザー向けの製品として紹介されているが、ハッカーが恐ろしい用途で使うことも可能だ。

企業のノベルティとして配布したり、ホテルや空港のラウンジ、タクシーなどで提供されたりなど、利用シーンは無限に想定される。

アップルの安全神話が崩壊

「私は警察に捕まるかもしれない」とMGはツイッターでジョークを投稿し、次のように述べた。「アップルはハッキング対策を行っているが、接続するケーブルは簡単にハッキングすることができる」

MGは、もともとOMGケーブルを「個人的なハードウェアの学習プロジェクト」として開発したという。しかし、このケーブルをハッキング目的で使うことが可能であると広く知られたことで、セキュリティ業界では懸念が広がっている。

この数週間でiOSのハッキングに関する問題がいくつも露呈し、アップルの安全神話が崩れつつある。OMGケーブルの発売は、さらに懸念を強めるニュースだ。この製品がハッカーに利用される危険性についてMGに尋ねると、彼は「心配する前に、そのリスクについて気づいてもらいたかった」と述べた。

「人々に認知してもらうことがこの製品を開発した狙いだ。認知されれば、防御策も増える。悪意のあるケーブルは10年以上前から存在するが、人々はリスクに十分気づいていなかった」と彼は話した。

編集=上田裕資

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テクノロジー

2022.03.12 11:00

長く使って元が取れる 5G対応iPhone SEの「本当の価値」

アップルが2022年最初に開催したスペシャルイベントで第3世代の「iPhone SE」が発表された

アップルが2022年最初に開催したスペシャルイベントで第3世代の「iPhone SE」が発表された

アップルが5万円台から買える新しい5G対応のiPhone SEを3月18日に発売する。2年前に発売された先代のiPhone SEから外観は大きく変えていないものの、中味には骨太な強化を図った。ユーザーが「長く使えるiPhone」として変貌を遂げている。

親しまれてきたコンパクトサイズと指紋センサーは継続


最初にまず新旧iPhone SEが「変わらなかったところ」を確認しよう。ディスプレイは同じ4.7インチのRetina HDとして、本体の外形寸法も変えずにキープした。質量は新しいiPhone SEがわずかに4gほどアップしている。


カラーバリエーションはスターライト/ミッドナイト/Product REDの3色

本体フロント側にはホームボタンを兼ねる指紋認証センサー「Touch ID」が継承された。次の新しいiOS 15.4以降からFace IDを搭載するiPhoneがマスクを着けたまま画面のロックを解除できるようになることが発表されていたので、筆者はこの機会にアップルがiPhoneをすべてFace ID搭載機に入れ替える可能性もあると考えていた。


フロント側ホームボタンにTouch IDを搭載。指紋認証による画面のロック解除、Apple Payの支払いなどが素速く行える

だが実際には発表イベントの壇上でティム・クックCEOが述べていたように、日本を含む世界各地で「ホームボタンを搭載するコンパクトなiPhone」に寄せられる期待は今もなお大きいようで、アップルはこれを無視するわけにいかなかったのだろう。

私事になるが、筆者にもようやくスマホデビューを果たした高齢になる家族がいる。指で画面をタップしたりスワイプする操作にはなかなか馴染めずにいるが、やはり押すと手応えが返ってくるボタン操作は比較的覚えやすいようだ。

最新のA15 Bionicチップを搭載 長く使えるiPhoneにこだわった


第3世代のiPhone SEは、5G対応のほかにも表には見えにくい骨太な進化を遂げていた。重要なポイントは大きく2つある。

ひとつは最新のiPhone 13シリーズも搭載するA15 Bionicチップが、エントリーモデルであるiPhone SEに惜しげもなく採用されたことだ。

A15 BionicはiPhoneのパフォーマンス向上を引き出すとともに、駆動時の電力消費を低く抑えられる高効率なチップだ。5G対応の新機種はネットワーク通信時に4G LTEよりも電力を多く消費する負担の大きなタスクをこなしているが、第2世代のiPhone SEよりもバッテリーの持続時間は長く伸びている。例えばビデオ再生を連続で2時間以上、オーディオ再生は10時間以上長く楽しむことができる。

アップルのイベントでは、iPhone SEが最新のA15 Bionicチップを搭載したことで、この先も無料で提供されるiOSのソフトウェアアップデートによる機能追加が長く楽しめるメリットについても強調されていた。新しいiPhone SEは「中味が古くならないiPhone」なのだという。
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文=山本 敦

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