2026年6月現在「技術・人文知識・国際業務(技人国)」の審査は極めて厳格化されています。現在、技人国の社員に現場労働(単純労働=本来なら特定技能の職務内容であること含む)を行わせている状態は、入管法上の「資格外活動違反」および企業側の「不法就労助長罪」に直結する極めて危険な違法状態です。
この状態から適法な「特定技能」へ移行し、コンプライアンスを正常化するための唯一の安全なプロセスを、労務管理の注意点とともに正確に解説します。
1. 労務管理の絶対原則(休職NG・完全なる自己都合退職)
まず、明日から直ちに現場労働を停止させてください。その上で、現在の雇用契約を「完全なる自己都合退職」で終了させます。ここで絶対に避けるべきは「休職」と「会社都合退職」です。
休職の罠:雇用関係が続くため、入管に「現在まで何をさせていたか」を追求され、過去の違法就労が露見します。
会社都合退職(非自発的離職)の罠: 入管法上、過去1年以内に非自発的離職者を発生させた企業は、その日から「1年間」、対象社員を含むすべての特定技能外国人の受け入れが法律上完全に禁止されます。リカバリー自体が不可能になります。
したがって、本人の十分な理解を得た上で、「特定技能ビザへの切り替えと手続き準備に専念するため」という理由で、必ず労働者本人から「退職届」を提出させ、雇用関係を一度クリーンに清算することが最大の防御策となります。
2. 違法状態からの脱却スキーム(一旦帰国ルート)
日本国内で現在のビザのまま「在留資格変更申請」を行うルートは、過去の職務内容を申告する際に自ら違法状態を自白することになるため、極めてハイリスクです。
安全にリカバリーするためには、上記の自己都合退職後、本人を自発的に母国へ「一旦帰国」させます。その後、企業側が改めて特定技能の「在留資格認定証明書交付申請(新規の呼び寄せ手続)」を行うことで、過去の違法な雇用と未来の適法な雇用を法的に完全に分断できます。
3. 申請までにしなくてはいけない事(必須アクション)
1. 試験の合格:本人が各分野の「特定技能評価試験」と「日本語試験(JLPT N4以上等)」に合格すること。所属機関(会社)の特定技能外国人受け入れ体制を整える事。
2. 停止条件付き雇用契約の締結:帰国・申請の前に、「特定技能のビザが下りて日本に入国した日から効力を生じる」という条件を付けた新たな雇用契約を結びます。雇用契約なしに申請はできません。
3. 上申書・反省文の作成:過去の過失(法律の無知等)に対する深い反省と再発防止策をまとめた代表者名義の「上申書」を専門家を通じて作成し、申請時に提出します。
4. 期間と致命的な不許可リスク
想定期間:試験準備、書類作成、入管審査を合わせ、最短3ヶ月〜通常半年程度(状況によってはそれ以上の期間)。この間、対象者は一切就労できません。
不許可・ペナルティリスク: 悪質な「偽装技人国」と認定された場合、本人の特定技能不許可および現在のビザ取り消し(退去強制)のリスクがあります。企業側には不法就労助長罪(5年以下の懲役または500万円以下の罰金)が科され、さらに今後5年間にわたり全外国人材の受け入れが禁止される致命的なペナルティが存在します。
一歩間違えれば企業の事業継続に関わる事態です。直ちに現場労働を停止し、慎重かつ速やかに事態の収拾を図ってください。