書店の未来と現在と
◉𝕏(旧Twitter)に、こんなポストが流れてきました。2024年3月16日オープンして、まだ1年ちょっとの和歌山市の本屋さんのようですが。本好きが昂じて出版社の編集者になり、物書きになった身としては、書店の未来に対して暗い気持ちになります。
極端な、ただ非現実的ともいいきれない話として、「町に本屋なんか無くてもAmazonがあるから別に良い」の先に、いざ町から本屋が全て消えて、Amazonでしか本が買えませんとなると、本を選ぶのは客じゃなくAmazonのAI、例えばトランプ政権に批判的な本などは流通させません、みたいな世界もありえる。
— 本町文化堂📖(2024/3/16開店) (@BTCC_wakayama) April 2, 2025
極端な、ただ非現実的ともいいきれない話として、「町に本屋なんか無くてもAmazonがあるから別に良い」の先に、いざ町から本屋が全て消えて、Amazonでしか本が買えませんとなると、本を選ぶのは客じゃなくAmazonのAI、例えばトランプ政権に批判的な本などは流通させません、みたいな世界もありえる。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。
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■本屋は不偏不党なのか?■
詳しくは、上記リンク先の全文を、じっくりお読みいただくとして。調べてみたらこの本町文化堂という書店、和歌山城や本町公園の間にある、中心地の書店のようですね。和歌山市は、言うまでもなく和歌山県の県庁所在地で、人工は34万人超。大阪や京都、兵庫ほどではないですが、地方都市としてはかなりの人口でしょう。
しかし現実問題として、アビゲイル・シュライアー著『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇』の翻訳書である『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』や、暇空茜著『ネトゲ戦記』が、店頭での販売自粛に追い込まれた過去を、このアカウントはもう忘れたのでしょうか?
検索してみると、同アカウントは〝ネトゲ戦記〟でのヒットはゼロ。〝トランスジェンダー〟では3件で、しかも2023年の6月18日に、集中していますね。この書店で、同書がどんな扱いなのかは、伺い知れませんが。別にAmazonのAIが規制しなくても、現実に書店側が規制している本があるわけで。バランス感覚に疑問を持ちます。
もちろん、処世術として、活動家が押し寄せてきてクレームを入れるような本に関しては、言及しないことで何を逃れるという考え方はありだと思います。であるならば、不用意にトランプ大統領の名前も、出すべきではないでしょうね。もっとも、トランプ大統領なら批判しても、シンパが物理的な嫌がらせをしてこない、という安心感があるのかも知れませんが。
■書店がない自治体27.7%■
近くの本屋にないので、Amazonで購入した、という人が現実に出ているのに。ちなみに、『ネトゲ戦記』は初登場で、Amazonの売上ランキング1位になっていました。本屋が締め出した結果、Amazonの方が売れた可能性。一部の本屋離れを起こすような行為をしていて、本屋離れを嘆くというのは、筋が通らないですね。
それ以前に、書店がない自治体はすでに27.7%(482自治体)にのぼっているって事態を、都会の本屋やその利用者が、どれほど理解しているのか? 自分には疑問です。映画館はもちろん、書店もすでに都会の贅沢品になりつつあり。でも、映画館を守れ 本屋を守れと言っている人たちの議論は、都会の状況を前提にしていることが多いですね。
自分はそこに、都会人の傲慢を、見ます。本屋がない自治体は、トランプ政権に批判的な本どころか、肯定的な本も購入できない現実が、あるのです。Amazonや電子書籍は、そういう本屋なき人たちへの福音という現実が、あるのです。このままではキャビアが食べられなくなる、みたいな心配をしている人を見るような、違和感。
コレは、ジェンダー問題や選択的夫婦別姓が、政策論争の筆頭に来る政党や支持者の問題にも、感じることですが。軽視しろとか無視しろとは言いませんが、優先順位は交通事故死者を減らそうとか、自殺者を減らそうなどよりも、ずっとずっと後ろでは? さぞや満ち足りた生活をされておられて、そういう点が大事なのでしょうけれど。
■都会人の傲慢と見下しと■
現実問題、日本ではアレほど叩かれた安倍晋三元総理は、反表現規制派の山田太郎議員に協力的で。逆に、脱糞民主党ぐらいでスラップ訴訟を仕掛けて敗訴した立憲民主党や、朝日新聞記者のポストにクレームをつけた斎藤蓮舫候補とか、左派が抑圧的。こういう違和感は、平田オリザ氏の地方への移住促進論にも、通じる部分ですが。
内田樹氏によれば、〝前に平田オリザさんが言ってました。「地方移住者を増やしたければ、若い女性がくつろげる『おしゃれなイタリアン』が必要だ」と。別にイタリアンでなくてもいいんです。「私たちはあなたたちを歓待する。たいせつにする」というメッセージを発信することが重要なんだ、と。〟ごいうことらしいですが。
上記noteを参照していただければ分かりますが、実際は全国の市町村区の自治体1741か所中1206位の町にも1300位の町にも1400位の町にも、イタリアンの飲食店はあります。それどころか、1600位の村や1700位の村も、村そのものにはイタリアンはなくても、動ける範囲内にイタリアンの店舗がありました。
逆説的に、書店がない自治体はすでに27.7%(482自治体)にも達しているという現実の恐ろしさに対して、能天気過ぎませんかね? そして、本屋がある自治体も、それこそ文房具屋と兼業の、売場面積が10畳以下の本屋も多く。フラリと立ち寄った本屋で、意外な本に出会える書店文化というのは、都会の贅沢品でしかなく。
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