部員足らずも前向きに 強豪の三重高女子サッカー部 今季から合同チームで
育成年代の減少が影響、選手7人のみ 少子化だけでは説明つかない
全国の舞台に出場し続ける強豪校の三重高女子サッカー部(田中伸弥監督)が本年度から部員不足に陥り、単独校として大会に出場できなくなっている。背景にあるのは少子化だけでなく、育成(小学生)年代の競技者の大幅な減少がある。競技人口をみれば、高校世代の競技環境の存続すら厳しい状況。だが、三重県松阪市内では育成世代を何とか育てようという動きも出ている。同校の選手らも他校との合同チームながらピッチ上で懸命に競技に向き合う。 三重高女子サッカー部が創部されたのは2008(平成20)年4月。当時、県内には少女(小学生)チームが七つあり、レベルの高い選手が多数存在した。県トレセン(選抜)は小学生年代から全国大会上位常連。だが、中学生の受け皿が3チーム程度と、少なかった。有力選手は中学時代から遠方のチームを求めた。もしくはサッカーをやめるか。高校年代も同様で、県外強豪校への〝流出〟は後を絶たなかった。そんな中、田中監督(51)=久保町=は地域で選手を育て、守るために創部した。 しかし、船出は苦しいものだった。初年度は初心者中心のチームで、公式戦は大敗。アップ中の負傷や、眼鏡を掛けたまま試合に出場しようとする選手がいるなど、手探りのスタートだった。 転機は2年目。県選抜クラスの選手が推薦で入学すると、有力選手が次々と加入。チームは急速に力を付けていった。 強化の成果は確実に表れた。全国総体には開催競技に採用された12(同24)年から3回連続で出場。13(同25)年には最高成績となる8強入り。全国高校女子サッカー選手権には4回出場し、最高順位はベスト16など強豪校へと成長した。19(令和元)年ごろには部員数も約30人にまで拡大。名実ともに「県内の受け皿」として機能していた。 しかし、近年は徐々に人数が減り、昨年度は選手15人。それでも、県内では圧倒的な強さを見せ、全国選手権にも出場。強豪相手に敗れたものの好ゲームを展開した。だが、主力となった3年生は同大会をもって引退。残った2年生以下は5人だけとなった。 本年度、1年生2人が入部し、現在は選手7人(3年生3人、2年生2人)、マネジャー2人という構成で、11人制の試合に単独で出場できない。津市にあり、県内強豪の一つだった高田高校女子サッカー部も同じく部員不足で、現在は両チーム含めた5校が合同チームとして大会に出場している。三重高のGK・佐藤優衣主将(3年)は「これまでの先輩たちが築いた結果を維持し、次につなげたい。全国大会出場が一番のモチベーション」と前を向く。