「Mrs. GREEN APPLE presents 『CEREMONY』」2日目ライヴレポート
2026年6月10日、11日の2日間にわたり、「Mrs. GREEN APPLE presents 『CEREMONY』」がKアリーナ横浜で開催された。
2日目となる6月11日の出演者は、Mrs. GREEN APPLE、FRUITS ZIPPER、上白石萌音、マキシマム ザ ホルモン、ネクライトーキー、サカグチアミ、TWS。この記事では、2日目の模様をレポートする。
開演5分前には、アリーナ前方に用意された円卓と椅子が並ぶエリアへアーティストたちが入場、観衆からは拍手と歓声が起きた。
オープニングに登場したMrs. GREEN APPLEは、「ヒーローズジャーニー(英雄の旅)」をテーマに、この日は「桃太郎」をイメージしたファッション。大森元貴は、「表現者は孤独」と述べたうえで、今日だけはきれいごとでもいいのでつながりたいと抱負を語った。
MCは、サッシャと中条あやみ。彼らが最初のプレゼンテーターとして紹介したのは、Mrs. GREEN APPLEの藤澤涼架だ。「誰よりも今日、楽しむつもりで来てます」と、観衆にも音楽を楽しんでほしいと呼びかけた。
そして、上白石萌音がステージに登場。柔らかにして、強い芯も感じさせる歌声によるアカペラで「なんでもないや(movie ver.)」が始まった。ピアノや弓で弾くコントラバス、サックスなど、バンド・セットのサウンドはアコースティック。そして、壮大な楽曲を上白石が見事に歌い上げる。「懐かしい未来」でも力強い歌声が響き、「いい曲、一緒に歌おう」と観衆をシンガロングにいざなった。そして、最後に歌われた「メメント・モリ」は、同名の大森の絵本を生むことになった楽曲。さらに朗読劇「メメント・モリ」を紡ぎ上げたのが上白石だった。そうした縁を大事にしているのも「CEREMONY」なのだ。
2番目のプレゼンテーターは、TWSのJIHOON。ステージにはネクライトーキーが登場した。メンバーがひとりずつステージに現れて歓声を浴び、「北上のススメ」でスタート。タイトにしてギミックの効いたサウンドは、強い個性を放つ。そして、ネクライトーキーのメンバーたちが大きな声を発してから、「オシャレ大作戦」へ。疾走感に満ちた演奏にして、中毒性のあるポップなメロディーだ。MCでは、3年前にMrs. GREEN APPLE、フジファブリックとスリーマンライヴをした縁があったことを紹介。「余計なこと」では、よりハードなサウンドを聴かせた。
会場にどよめきが起きたのが、3番目のプレゼンテーターだ。中条から「霊長類最強」と紹介されたのは、レスリング女子の金メダリストの吉田沙保里。ステージに登場したサカグチアミは、しなやかな歌声をバンド・セットに乗せて、「好-じょし-」を披露した。歌詞に「ロックンロール」という言葉が出てくるが、まさにそうしたサウンドだ。MCでは、Mrs. GREEN APPLEと2018年に共演した当時は「坂口有望」名義であったことに言及して、「名前」へと続けた。サカグチがアコースティック・ギターの弾き語りで歌った「裸」は、まだ音源化されていない新曲だが、そんな「裸」の切実さにも聴き入ってしまった。
会場には、柔道の高山莉加や、ダンサーのShigekixも招かれており、サッシャによるインタビューも行われた。
4番目のプレゼンテーターには、上白石が「みなさん、お久しぶりです」と再登場。演出家から聞いたという「歌は歌手からの打ち明け話なんだよ」という言葉を紹介した。そしてステージにはFRUITS ZIPPERが登場し、ユーモアのある「はちゃめちゃわちゃライフ!」をパフォーマンス。こうした場における彼女たちの強さを再認識することになった。「ぱわーオブらぶ」のダンス・パフォーマンスのキャッチーさも出色。そして、大ヒット曲「わたしの一番かわいいところ」が始まり、FRUITS ZIPPERが円卓側にある一回り小さいステージに移動すると、藤澤も一緒に踊ることになった。両者は「テレビ×ミセス」で、この曲をコラボしていたのだ。
5番目のプレゼンテーターは立川志らく。2人の娘がMrs. GREEN APPLEの大ファンで、一緒に東京ドームへも行ったエピソードを紹介した。ナフサ不足という時事ネタに言及していたのも粋だ。ステージにはマキシマム ザ ホルモンが登場。噴き上がるスモークとともに始まった「シミ」では、ラウドなサウンドと変幻自在なビート、そして強烈なシャウトを轟かせた。MCでは、ナヲが「ミセスからの試食!」と、マキシマム ザ ホルモンも味わってほしいと叫ぶように話し、そのテンションのまま「maximum the hormone Ⅱ~これからの麺カタコッテリの話をしよう~」へ。ナヲがドラムを離れて、お立ち台に立つパートも。MCでは、ダイスケはんが「パラレルワールドから来たFRUITS ZIPPERです!」と自己紹介などをした後、「恋のメガラバ (CEREMONY edit)」へと突入した。
6番目のプレゼンテーターは、競泳の五輪銀・銅メダリストの入江陵介。そして、ステージに登場したTWSは、「はじめまして」でダイナミックにしてキレのあるパフォーマンスを見せた。椅子に座っているYOUNGJAEも、上半身でパフォーマンス。MCで観衆にダンスをレクチャーしてから、ダンス・ビートの「You, You」「OVERDRIVE」へと続けた。ヴォーカルの透き通るような高音も魅力的なグループだ。
最後のプレゼンテーターは中条。そして、大トリを飾るMrs. GREEN APPLEのステージへ。セットリストは2曲目の「コロンブス」が変更されて「クスシキ」となっていた。「ANTENNA」から「クスシキ」へとノンストップでドラムが叩かれ、藤澤のピアノにはジャジーなテイストも。大森のヴォーカルは激しく歌い上げたが、随所にチャーミングさも光る。特にアウトロでは、若井のギターがサウンドを牽引するかのようだった。そして、深遠な「天国」での大森のヴォーカルには、この日も心を揺さぶられた。
最後のMrs. GREEN APPLEによる挨拶で、大森はフェスでも授賞式でもない「CEREMONY」を実現できたことについて「感無量です」と語り、観衆の拍手を浴びた。さらに、以下のように語った。
「賞とかチャートとかランキングとか、いろんなものがありますし、そういうものが僕らを突き動かすものもありますし、パワーになったり原動力になることもあるんですが、そういう勝ち負けとか優劣とかだけじゃなくて。本当に素晴らしいものなんだ、表現って、音楽って、アーティストって、お客さんって、この空間って、ライヴって、自己表現って。そんなことを思って、勝ち負けとか決められるよりも、すごく嬉しくて、悔しさを知れた『CEREMONY』になりました」
発言の主旨は1日目とも重なるが、それだけMrs. GREEN APPLEが伝えたいことなのだろう。最後に3人は、マイクを通さずに「Mrs. GREEN APPLEでした!」と観衆に挨拶した。
「CEREMONY」の2日間を見ることで、名前は知っていても、音楽についての認識が薄いアーティストに改めて向き合うことができ、実に充実した体験をすることができた。それは会場の観衆も同じだったのではないだろうか。そして、それはMrs. GREEN APPLEが望んだことでもあったはずだ。
また、個々のアーティストに向き合うことはもちろん、イベントが進行していくに従って、会場の空気が熱気と一体感をはらんでいくことも醍醐味だった。その変化こそが「CEREMONY」という場の意義だろう。まだ触れたことのない文化に触れ、観衆が強い刺激を受ける場となっていた「CEREMONY」だった。
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