[篤寛]居酒屋あつや・9[現パロ]
寒暖差で体調崩したそれでも腹は減るな寛と食べられるならなんとかなるの篤でいつもの居酒屋あつやになるはずだった。
※篤と寛が一段進んだ感じ? 相変わらずどっちがどっちか分からないが書いてる人間は篤寛寄り。でも逆にも読める。Rは最終回(あるか分からんが)にも書かないので個々お好きなほうで。細かいこと気にしないでふわっとお読み下さいm(_ _)m※
2023/11/29:これは続けて読んでコメントやスタンプなどで応援してくださり、いいねやブクマを送ってくださる皆さまによって楽しく書けているものの一つで私の慰めの筆の一つでもあります。書いていて落ち着き穏やかになれるのでこれで評価、特に感想をいただけると本当に嬉しいので感謝しかありません。
終わらせないといけないとなると寂しくなりますが、次回にでも終わらせた方が良いのかアンケート取ろうかと思っています。あと、昼間の居酒屋あつやの方にも元のように番外編(昼間の居酒屋あつや)と本編を統一シリーズ化に戻すかもアンケート取らせていただきたいので、そのさいはどうぞご協力よろしくお願いします。ありがとうございます。
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寒い。
朝昼晩の寒暖差で風邪を引くどころか流行っているインフルエンザにでもなりそうだ。
部下も寒くなる前に早く帰りたいですなどとぼやいていたが、因みに無視をした、これは確かに寒いな、と日車は家までの帰り道をとぼとぼ歩く。
今夜は家に帰らねばならない案件があったから、直接あの店には行けない。
即ち進捗状況によっては今夜はあの店主の顔が見られないかもしれない。
早く帰って仕事のチェックを済ませてまた事務所に戻ってチェックし直して面会の予定を組んでそれからそれから……、と日車は頭の中で色々としなければならないリストを並べていく。
(ああ、今夜は特段と冷えるなぁ……)
こんな日ほどあの家に帰るのが嫌だ。
寒々しい一人だけの家に帰るのが。
まるでこの世に自分しか居なくなったような、そんな錯覚を覚えるようなあの家に帰るのが嫌だ。
けれどもその道を選んだのは紛れもなく自分自身だ、と日車は自分に叱咤激励してなんとか悲鳴を上げる心身に鞭打ち歩きを早める。
鍵を開けて、ガチャリと開ければ空っぽの我が家。
階下には酒の貯蔵庫兼食糧庫と化した部屋があるが、一階二階はそのまま人の住む様相になっている。
まあ、殆ど寝るだけに帰っているようなものだが。
そして必要書類の入ったカバンを手にリビングへと移り、帰路で買ったサプリメントと栄養ドリンクを口にして「寒い」と呟いてからノートパソコンを開き、作業を開始するのだった。
小一時間過ぎたか、目が霞んできて時計を見たら事務所のビルが閉まる時間帯になっていて、後は明日持ち越しと決定した。
予測はしていたが、明日にずれるとまた皺寄せが次の日にそしてまた次の日へとどんどん寄る。
だから、日車は家での仕事を一区切りし、一度事務所に戻って管理人から鍵を預かることにした。
この時間帯なら車で行けば間に合うだろうと、かなり距離は近いがタクシーを呼ぶ。
こんな時に迎えにきてくれる人がいればと思って思い浮かんだ人に心から謝罪して、頭を振って仕事モードに切り替えた。
事務所前まで着くと運転手に料金を多めに渡して最短の距離で運んでくれた礼を言い、それから急いで管理人室へ行き、帰り支度をしていた管理人に事情を説明して鍵を預かることができて一先ずは安堵する。
そしてその夜は徹夜で仕事をして終わったのは明け方で、ヤケクソ気味にその日の仕事も部下の分までしてしまい、部下が出勤してきた頃には日車はデスクで座ったまま寝ていた。
身体がだるいなと思って瞼を開けると、身体の節々が痛む。
「インフルエンザか?」
「そんな格好で寝ていたら節々が痛くなるの当たり前じゃないですか!」
不意に独り言へ一喝とばかりに応えられ、日車が何事かと顔を声の方へ向けたら部下の清水だった。
「おはよう」
「もう夜ですけど」
「?! 書類は……!」
「全て点検して提出済みです。まあ、できる範囲なんで私ができなかった分はいつも通り日車さんがよろしくお願いしますね。…また今夜にでも手土産持って行った方のところへ行った方が良いですよ。酷い顔色です。あ、これ、その方へ……日車さんもよかったらその方とどうぞ」
「…ありがとう。これは?」
「…どういたしまして。因みにそれ私が食べようと思って買ったチロ◯チョコのカヌレ味です。一個貰って美味しかったんで自分で大人買いしたんですよねぇ。あ、もうひとケースあるので気にしないでください。…私ももう帰りますね。日車さん、仕事溜めないのは良いですけど、無理して倒れたらそれこそ意味ないですからね?」
「済まない」
「その方によろしく言っていたことお伝えください。…それでは、おやすみなさい」
「あ、ああ、おやすみ」
清水を目だけで見送り、日車は椅子の背もたれに体重を倒れないくらいに限界まで乗せてから、もう一度目を瞑って、それからまた目を開いてポツリ、「行くか」と案外部下に対して正直者な自分の顔に苦笑いしたのだった。
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