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かたくて脆い/Novel by すずろ

かたくて脆い

703 character(s)1 min

虎日。酔い草が独特な日車さんと巻き込まれる虎杖君。虎杖君は成人しています。

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「虎杖は歯並びが良いな」
 その言葉に冗談めいた響きはなく、ただ感嘆と好奇心から出たものだという事は分かった。日車の身体の重みを感じながら虎杖は自分の口元に視線が注がれているのを戸惑いながらも受け容れるほかなかった。いつもは目を合わせるのも躊躇いがちだというのにこの大人は。未だに掴めんなあと内心思う。
 日車のひとさし指が唇の端の傷痕をゆっくりとなぞる。それはまるで合図のようで、虎杖は観念したように口をほんの少しひらいた。
「んあ、」
 太い指の腹が虎杖の歯列をすべっていく。時折り確かめるように尖ったところをつつかれてこそばゆい。正直な話、年頃の男としては否応なく変な気分が湧いてくるのは致し方がなかった。
「ひうるまよっへるへひょ(日車酔ってるでしょ)」
「色も白くて綺麗だ」
 虎杖の言葉を無視して日車は検分するかのように呟いた。これは酔っている。ソファテーブルの上に置かれたウイスキーの酒瓶と炭酸水、空になったグラスふたつを虎杖は横目で見遣った。
 ここから攻勢を変えるべく指をくすぐるような強さで噛むとひく、と動くそれは反応した。そのまま舌で包むように撫でると漸くやり過ぎたと思ったのか日車が指を引っ込めようとする。
 そうあんたの都合良くはいくかと虎杖は手首を掴み、相手ごとソファに倒れ込んだ。見下ろされる体勢になって日車の顔に焦りが浮かぶ。
「俺を煽ったお返し」
 言い訳を封じるように目の前の半開きになった唇を割るように口づけた。そして虎杖に負けず劣らず整った歯に舌を這わせる。わずかな抵抗が徐々に抜けていく事に歓びを感じながら虎杖は更にその先を探るべく身体をひらこうとしていた。

 

Comments

  • narrプロフ必読1\1加筆。
    June 19, 2024
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