愛玩
domsubネタです 初めて書くネタに明るくはなく
間違いがあると思われますがすみません
sub高専if🌻さんと成人済みdom🐯くんの同棲の一幕の話
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愛玩
ふらふらと、日車は、家路を目指す。頭が重い。原因は分かっている。日車は、subだ。
domの相手がいなければ、今頃、どうなっていたかわからない。
家に着いてたのは良いものの、鍵穴にうまく鍵が入らず、擦れる。不調が酷い。手が震えながら何とかガチャリと音がして、扉を開けた。
部屋の明かりが、恋人の存在を示した。
「日車」
駆け寄る足音が聞こえて、安堵して扉が、閉まったと同時に、日車が、玄関に腰を下ろす。
「っ日車……!」
虎杖が、駆け寄って日車の体を支える。がっしりとした体躯が、変わらず頼もしく心地よくて身を委ねた。
「……すまない、虎杖」
domの本能で、日車が弱っている事をいち早く虎杖は、察した。
「日車、come」
虎杖の声を拾った瞬間、ぶわりと身体中が歓喜に包まれるsubとしての本能が、虎杖を求めてやまない。身体中の細胞が、動き出して血が集まるのがわかる。
ぎゅっと日車は、虎杖に身を寄せる。
「うん、上手」
あやすような虎杖の声に思わず、羞恥と恍惚が混ざって、先ほどの不快感が身体から追い払われるのが伝わる。
「とにかく、ソファまでいこっか」
「……ん」
こくりと日車は、頷く。
「よし、」
虎杖は、自慢の腕力で、日車を抱える。俗に言うお姫様抱っこだ。
「なっ、」
重く甘く痺れる脳が冴えを取り戻すように、抗議したが——
「わかるでしょ?」
「——っ」
見上げた虎杖の目が有無を言わせなかった。
薄く笑う彼の目が、冷ややかで日車をぞくぞくさせる。いつもの彼からは、感じないはずの威圧感に、下腹部がざわつくのを感じた。それ以上の抵抗が無意味に思えて、されるがままに、ソファにたどり着いた。
「ほい、とうちゃーく」
「……虎杖、もういい、そろそろ降ろしてくれ」
そろそろ居た堪れなくなってきて声が震える。
「なんだ、もういいの?」
いつもより意地悪く笑う彼に思わず、日車は、むっとする。
「はは、ごめん」
よっ、と掛け声を出して、日車を下ろす。
「……じゃ、始めよっか」
虎杖が、日車の正面のソファに座る。
ぽんと、虎杖が太ももに手を置く。
「日車。kneel」
どくんと心臓が、脈打つ。求めていた服従の官能がすぐ傍らまできている。まるで、波打ち際の海水が、飛沫となって足元を濡らすように、欲望の坩堝が海流となって、危うい沖へと日車を誘う。潮騒が心臓の鼓動のようだ。
力無くへたり込んで、されるがままに虎杖からのご褒美を従順に待ち焦がれた。
「うん、お利口。流石、日車」
待ち焦がれた欲望の飢えが癒やされていくのが、魂より先に肉体に呼応した。
虎杖の硬い鍛え抜かれた太ももに頭を乗せる。この体制が、やたらに気恥ずかしく思えて、未だに慣れずにいる。
「日車、……触るよ」
大きな厚い皮の掌が、日車の柔らかい黒々とした髪を撫でる。思わず肩を震わせるが、なんとも甘美な手つきで撫でられるのが日車にとっては、堪らなかった。この、不慣れなはしたなさに悦楽の疼きを確かに催して、けれど、何より虎杖の掌に勝る安心感は存在しなかった。悪寒に似た服従の喜びに、薄暗い気持ちになりながら、なす術を捨てて溺れる。
「いい子。」
びくりと日車は、身体が、震える。二回りも年下の大人の男に、支配されて甘やかされているこの事態は、はっきりと言って異常だ。
しかし、それ以上に、先ほどまで欠けていた充足がここにしかない事が、本能で分からされた。虎杖の声や手つきでなければ、日車は満足できない。
虎杖は、年上の男の髪を撫で付ける。黒い髪の指通りが良くて、髪の艶に見惚れる。
その中に、冷ややかな支配欲を満たされる事を、もう一人の自分が遠くから俯瞰しているのを感じた。血統証のついた由緒正しい黒猫を、手中に収めるように虎杖は、日車を飼い慣らしていた。
普段なら、嫌厭する感情が、全く起こらず、むしろ日車を、征服するような、この男を、思い通りにできるという俗な優越が、虎杖の特権として翳された。日車のみに発露するこのサディズムは、虎杖の裡で、静かに鞭を握っていた。日車を撫で付ける手つきの中に、この端正な全能の男を、縋り付かせたくなる高揚があった。
そんな加害性のある欲望が、虎杖の手つきに宿っている事をまだ、日車は、知らない。
日車は、己が虎杖という魔性の光に魅入られた代償を知らずに虎杖に、己を委ねている。
信頼のできる飼い主の元で、愛玩される事を許容する猫のように。深い闇のなかで、喉を鳴らす。この男になら、壊されたいと願う破滅願望が、日車のなかで、被虐の才能すら持ち得わせた。日車にとっての、虎杖に対する無知は、未開の快楽の始まりだった。