「役職員にも世の中にも誤った認識を与えた」角川歴彦・元会長が古巣KADOKAWA夏野剛社長らを名誉毀損で提訴へ
出版大手KADOKAWAの角川歴彦・元会長(82)が、KADOKAWAの夏野剛社長(61)らを防御権侵害と名誉毀損で東京地方裁判所に6月16日、提訴することが月刊「文藝春秋」の取材でわかった。 【画像】角川歴彦元会長。角川書店を創業した源義氏の次男で長年、KADOKAWAのトップを務めた 角川氏は東京五輪・パラリンピックのスポンサー選定に絡む贈賄罪に問われ、今年1月に懲役2年6カ月・執行猶予4年の有罪判決を言い渡され、東京高裁に控訴している。また、角川氏は2022年9月に東京地検特捜部に逮捕された際、検察官の取り調べに一貫して贈賄容疑を認めず、身体拘束が226日に及んだ問題で、「人質司法」により苦痛を受けたとして、国に損害賠償を求めて、東京地裁に提訴し、裁判が続いている。一連の問題は、大手出版社の元会長が、現職の社長を訴える異例の事態に発展した。
ガバナンス検証委員会委員の國廣正弁護士氏も提訴へ
今回、角川氏が提訴したのは、夏野社長とKADOKAWAのガバナンス検証委員会委員を務めた弁護士の國廣正氏。 「2013年、KADOKAWAでは東京に五輪が招致されることが決定した直後から公式スポンサーに選定されることを目的とした社内プロジェクトチームが始動。翌年、広告代理店大手の電通が『東京2020大会組織委員会』の専任代理店に指名されたことを受け、電通出身でコンサルティングを業務とする株式会社コモンズ2の代表者である深見和政氏と電通出身で同社に対して影響力を有する大会組織委員会の元理事・髙橋治之氏に協力を要請しました」(司法担当記者) その結果、2019年にKADOKAWAは大会組織委員会との間で協賛金2.8億円を支払う内容でオフィシャルサポータープログラム契約を締結。株式会社コモンズ2に、コンサルティング業務の対価として計7000万円超を支払うに至った。ところが――。
「東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法に基づき、コンサルティング料の支払いが“みなし公務員”の立場にあった髙橋氏に対する贈賄に該当するとの嫌疑で東京地検特捜部が捜査を始めました。捜査では、角川氏が代表権を有しない会長職に退いていたものの、経営上の重要事項に強い影響力を保持していたと認定。容疑を一貫して否認した角川氏でしたが、2022年9月に贈賄罪で逮捕され、226日に及ぶ勾留の後に保釈。今年1月22日、懲役2年6カ月執行猶予4年(求刑懲役3年)の有罪判決が言い渡された」(同前)