短いの3つ【篤寛】【虎日】
Xのタグ用に書いた篤寛と虎日の短いやつです。
篤寛の俳パロ、シチュエーションは実際にあったタレントさんの熱愛報道ネタです。
あのエピソード可愛くて大好きなんです。
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1、2ページ目→篤寛
3ページ目→虎日
【夜中に腹が減った寛見とラーメンを食べる篤也】
互いの息遣い以外は衣擦れの音もしない真夜中。隣に横たわっていた寛見が音も立てずにそっとベッドを抜け出す気配で、反射的に意識が浮上した。例え自宅だろうと愛する恋人が隣に居ようと、僅かな物音や気配で瞬間的に覚醒する性格を自分では重宝してる。そのおかげで恋人がきちんと熟睡出来ているかこうして確認出来るからな。
恐らくトイレだろうと目を瞑ったまま聞こえる音に集中する。廊下を数歩進みトイレのドアを開け、しばらくして流れる水音にやはりトイレだったかと納得。そのまま戻ってくるかと思いきや、足音はリビング…いや、キッチンの方へ。さすがにキッチンまで行かれると物音もほとんど聞こえないが、水でも飲んでいるのだろうなと薄目を開けてじっとドアの方を見つめる。…水を飲んでるにしては遅いな。
そのまま更に数十秒ドアを見つめて、さっきの寛見のように物音を立てずにベッドを出る。忍び足でリビングへ向かい、半開きのリビングドアをそっと開き上半身を乗り出してキッチンを確認すると、真っ暗なキッチンで冷蔵庫の中を見つめている寛見が居た。
「…何してんの?」
「!!」
パチッ。キッチンの電気を付けながら声をかけると、寛見が猫のようにその場で飛び上がった。
「ぁ、篤也…。すまない、起こしてしまったか」
「いや…。腹減ったのか?」
今日は朝から別行動で、俺はそう遅くない時間に帰ってこられたけど寛見は帰宅が遅かった。夕飯も出先で適当に済ませたと聞いていたのに、こんな時間に冷蔵庫を漁る程腹が減っていたなら言ってくれれば帰った時に何か用意したのにと「食ってきたんじゃないのか」と問うた声に責める色は無かったはずだ。
でも寛見はまるで悪事を見つかった子供のようにおろおろと視線を彷徨わせ、ぼそぼそと言い訳のような言葉を羅列する。
「すまない、その…時間も時間だったしあまり腹が空いていなかったから、戻りの車の中でコンビニのおにぎりを食べたんだが…。小腹が空いて…眠れなくて、その…」
もう一度「すまない」と項垂れる寛見の肩を、「何謝ってんの」とぽんと叩く。
「こんな時間に君の目を盗んで食糧を漁るなんて…それにこんな時間に何か食べるなんて体に悪いと、いつも君が」
「その感じじゃ結構腹減ってんだな?ちょっと待てるか?」
言いながら冷凍庫から小分けにしてある豚肉を取り出しレンジに放り込んで解凍し始めると、寛見が慌てて制止してきた。
「待ってくれ篤也…!こんな時間に君に料理をさせるなんて…!冷凍してある米とか朝食用のパンとか、食べていい物を教えてくれたら自分でやるから君は寝ていてくれ」
野菜室から取り出したしめじを俺の手から取りあげる寛見に、苦笑を一つ。
「確かに普段なら夜食は賛成出来ねえけど、寝れねえ程腹減らしてる寛見放ったらかして俺がぐーすか寝れると思うか?明日は休みだし…たまには俺と、イケナイ事しねえ?」
「!!」
更に取り出したネギの先で顎先をくすぐると、目を見開いた寛見にネギごと抱きしめられる。
「ありがとう篤也。俺に手伝える事はあるだろうか」
「じゃあ先にテーブルに箸とか出しといて、鍋敷きも」
「分かった。鍋を作ってくれるのか?」
「野菜たっぷりラーメンだよ。夜食っつったらやっぱラーメンだろ」
棚から取り出した袋ラーメンを振ると、寛見が箸を握りながら恐ろしい物を見たように体を震わせた。
「こ、こんな時間にラーメン…!?そんな、そんな事許されない…ギルティだ…!」
「だから美味いんじゃねえか」
普段の俺なら茶漬けでも出して「さっさと食ってさっさと寝ような」と言う所だけど、たまにはいいだろう。
「明日は二人で胃もたれと戦いながらベッドと仲良くしような」
解凍した肉とざっくり切った野菜を炒めながら笑うと、寛見が「胃薬はまだあったよな?」なんて不安そうに言うから更に笑ってしまう。出来上がったラーメンを鍋ごと運んでテーブルへ置くと、寛見の口角が上がった。
「美味そうだ…。こんな時間にありがとう、篤也」
「はい、召し上がれ」
器によそってやると本当に嬉しそうに食い始める。豚肉をキャベツやもやしと一緒に口内へ入れ、次いで湯気を纏う麺をふうふうと息を吹きかけながらズズッと啜る。
ハフハフとスピードを落とす事無く食べ進める姿を見ながら、俺も一緒に箸を動かす。うん、やっぱ夜中のラーメンって美味いわ。
「美味しい。篤也の作ってくれる物はいつも何でも美味しいが、この時間に食べるラーメンは何だか…」
「これが罪深い味ってやつだよ。今度からは遠慮しないで帰ってすぐ言えよ」
「寝るまではそこまでだったんだ」
「寝てからも、だよ。俺が居て寛見が腹減らしてるなんて俺が許せねえの、起こしていいから」
「そんな事出来ない…」
しょんぼりする寛見に、分かりやすい例えを挙げてやる。
「寛見が横で寝てんのに、疲れてるから申し訳なくて言えなくて〜とか言って俺がトイレで一人抜いてたらどう思う?」
「何故叩き起こさないんだと責める。…そうか、分かった。今度からは言うようにするから、一人で処理なんてしないでくれ」
「分かってくれて何よりだよ。じゃあ早速言うけど、ラーメン食ってたらばっちり目が覚めた。疲れてるとこ悪いけどどうせ明日は休みだし、寝る前に一戦お願いしたいんだけど?」
頬杖ついてお誘いしたら、寛見の箸からぼたりとネギが落ちた。