京都府南山城村の高麗寺には、イスラム教徒の土葬墓地区域がある(提供:高麗寺、画像の一部を加工しています)
 京都府南山城村の高麗寺には、イスラム教徒の土葬墓地区域がある(提供:高麗寺、画像の一部を加工しています)
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 ムスリム人口の増加と、全国に10カ所程度しかない土葬墓地。正規の受け入れにも抗議の声が広がるなか、政府は129自治体への実態調査に乗り出した。

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「土葬をやめろ」

 埼玉県本庄市。周囲を自然に包まれた霊園にこのような電話が時々、かかる。

「昔の話を何回も蒸し返して、迷惑なのでやめてほしい」

 この本庄児玉聖地霊園の管理人・早川荘丞(そうすけ)さんは言う。

 同霊園は1978年、宗教法人が県から経営許可を受けた。その後、95年に県知事の許可を受け墓地を開設。2019年には遺体を土に埋葬する「土葬」も受け入れ始めた。ところが、霊園の敷地内(土葬の区画外)にイスラム教徒(ムスリム)の遺体が複数体、許可なく埋葬される事件が起きた。最終的には警察立ち合いの下、遺体を埋めた側がお金を支払うことになったが、一銭も払わず行方不明になったという。

「闇土葬」報道で広がった抗議

 

 24年になりこの問題を一部週刊誌やテレビが「闇土葬」などとして報じると、土葬そのものに反対する抗議の電話が霊園に寄せられるようになった。「水質が汚染される」「遺体を掘り出して異国へ送れ」。なかには、土葬墓地内に無断で侵入し声をかけて逃げる人もいたという。

「土葬は、困っている人がいるから受け入れてきただけの話。静かに眠れる場所を提供したいだけです」(早川さん)

 一方、本庄市にも「闇土葬」報道を機に問い合わせが来るようになった。25年度はメールを中心に41件に上り、ほとんどが土葬への反対や周辺環境への影響を心配する内容だった。市ではホームページで経緯等を掲載し、霊園近くのため池の水質調査を毎年実施して「水質に異常がない」ことを確認しているという。

「今後もため池の水質調査や巡回を継続して行うなど、周辺住民の皆さまの心配の解消に努めて参ります」(本庄市)

 土葬をめぐる住民との摩擦は、本庄市に限った話ではない。いま、土葬に対する逆風は各地で起きている。

 背景にあるのが、日本に暮らすイスラム教徒(ムスリム)の増加だ。早稲田大学名誉教授の店田(たなだ)廣文氏の調査では、10年頃は約11万人だったのが、24年末時点で約42万人(うち日本人ムスリム約5万5千人)と、14年間でおよそ4倍に膨らんだ。

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