「どうしても」と7歳で仏門に入った尼僧が開山…足立区「ベトナム人の駆け込み寺」に、数百人が集った一日と住民の声
5月31日、東京都足立区・東綾瀬公園のそばに新しいお寺が開山した。「東京大恩寺」というベトナムの寺院だ。 【写真を見る】5月31日の開山の日には、獅子舞もにぎやかに行われた(写真:筆者撮影) オープニングセレモニーには数百人のベトナム人が集まり、在日ベトナム大使のほか、日本人の高僧や足立区役所の担当者も招かれてテープカットが行われ、ベトナム式の獅子舞に合わせて太鼓や銅鑼が打ち鳴らされた。 真夏のような日差しもあって、南国ベトナムさながらの熱気に包まれた。 ■東京にも完成した「ベトナム人の駆け込み寺」
「東京大恩寺」の住職を務めるのは、尼僧のティック・タム・チーさんだ。2000年に留学僧として来日、大正大学仏教学科や国際仏教学大学院大学で学んだ。 2018年には埼玉県本庄市に大恩寺を開山。コロナ禍のときは出入国がストップして帰国できなくなったり、あるいは雇い止めに遭って困窮したり、暴力や薄給など過酷な待遇から逃げ出したベトナム人の「駆け込み寺」として、多くの技能実習生や留学生を受け入れたことでも知られる。
こうしたタム・チーさんの活動は数多くの日本のメディアにも取り上げられたが、なぜ東京に新たな大恩寺を開くことにしたのだろうか。 本連載では、さまざまな事情で母国を離れ日本で生活する方を対象に、取材にご協力いただける方を募集しています。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。 「コロナのときに比べれば生活に困っているベトナム人はずいぶん減りました。それでも、精神的に悩んでいる人はまだまだたくさんいます。孤独とか、将来の進路をどうしようとかね」
ときには恋愛相談も舞い込むし、一方で労働事故や自殺、病気などで亡くなったベトナム人の供養を行ったり、遺骨を遺族に届けたりもする。まだまだ「駆け込み寺」として求められているようだ。 また、日本で暮らすうちに仏教を学びたい、帰依したいと考えるようになった若者たちも、タム・チーさんのもとを訪れる。そんな人々のためにも、本庄市より便利な東京都内に新しいお寺を開くことはタム・チーさんの宿願でもあった。 ■「地域の日本人との交流の場になれば」