流出する高度人材
こうした環境の違いは、日本から海外への人材流出にもつながっている。
欧州の雇用モデルでは、企業にとっても研究者を採用しやすい。共同研究を通じて能力を把握できるため、そのまま採用につながるケースも多い。
「博士号を取得した人材が社会の中で活躍する道筋が見えています」と李白さん。
人工知能(AI)や半導体、量子技術などを巡る国際競争が激化する中、高度人材の育成は国家戦略そのものと言える。
だが、日本では依然として博士課程進学をためらう若者が少なくない。
「目先の利益だけを考えるのではなく、将来の人材育成に投資する発想が必要です」
そう語る李白さんは、日本の現状に危機感を抱いている。
博士課程を終えた後も欧州に残る日本人研究者は多い。日本は優秀な人材を育てるだけでなく、その人材を国内につなぎ留めることができるのか。
「博士課程=苦学生」という構図を変えられるのかが、日本の未来を左右しそうだ。
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