【ロンドン=永原慎吾】高市早苗首相がフランスでの先進7カ国首脳会議(G7サミット)に先立って英国を訪れ、地方選挙の敗退で求心力が低下するスターマー首相との会談に臨んだのは「準同盟国」と位置付ける英国との関係強化は国内事情には左右されないと判断したからだ。国際秩序が揺らぐ中、首相は英国をはじめとする準同盟国との一層の連携に取り組む。
「キアと日英関係を高みに」
首相は会談で「英国は本当に大切な同志国だ。『準同盟国』と言えるレベルに達している。私はキアとともに日英関係をもっと高みに引き上げたい」と、スターマー氏をファーストネームで呼びながらこう語った。
両首脳の現在の立ち位置は対照的だ。首相が2月の衆院選に大勝し、政治基盤を強化したのに対し、スターマー氏は5月の地方選挙で大敗し、辞任圧力が高まる事態に至っている。こうした状況から日本政府内では当初、訪英のタイミングに懐疑的な向きもあった。
それでも首相が窮地のスターマー氏を訪ねたのは英国を準同盟国として重視しているからだ。英国とはイタリアを含めた3カ国による次期戦闘機の共同開発計画が進む。先端技術分野での連携にも取り組み、歴代政権の流れを引き継ぐ首相のもとで日英の結びつきはさらに強固になりつつある。
外務省幹部は「日英関係が内政で大きく揺れるということはない。英国との協力は継続していく」と強調する。