シンナーの4月生産量3%減、原料は減少も供給維持 業界団体など
日本塗料工業会は12日、4月のシンナー出荷量が前年同月比3%減の30746トンだったと発表した。ナフサ由来のシンナーの原料の調達は減少したが、塗料各社が代替調達を進め、国内の供給量を維持している。
同日経済産業省が公表した生産動態統計調査によると、4月のシンナー生産量は2%減だった。一方、シンナーのナフサ由来原料となる純トルエンの4月の生産量は前年比43%減の59093トン、キシレンは36%減の213353トンだった。
経済産業省の担当者は「(トルエンなど)原料の国内生産量のうちシンナー向けは、中東情勢以前から減少していない」と説明する。トルエンは全体の約2割、キシレンは約1割を占めるという。そのうえで、流通段階の目詰まりなどで中小企業を中心に原料が行き届かなかった可能性を示唆した。
企業規模やシンナー製品の種類によっては原材料不足で生産を減らした企業もあるが、大手メーカーは前年と同じ程度の出荷量を維持している。
最大手の日本ペイントホールディングス(HD)は、「昨年同等以上の製造・出荷を継続している」と説明する。原材料供給が逼迫した3〜4月には、中国など世界各地のグループ会社から代替調達して生産していた。現在は供給が回復し、国内調達分で賄えているという。
国内シェア2割の関西ペイントは、4月以降の生産量が前年同月比で5%増加した。3月中旬から4月中旬は原料調達が2割減少したが、不足分を海外グループの取引先などから調達した。大日本塗料の出荷量も3月以降前年を上回る。国内からの調達が不足した分は輸入で補い、3〜5月は前年比平均で27%増えた。
一方、代替調達のコストは重荷となる。調達先は供給量が多く輸送期間が短い中国が多いが、輸送費の上昇に加え、原材料価格は数倍に高騰している。日本ペイントは75%、関西ペイントは50%以上、大日本塗料は60%の値上げを継続している。
原材料価格高騰を受け、出荷を制限する企業も出ている。大阪の中小塗料メーカーは、一部の製品の原材料価格が4倍になった。原材料価格の上昇が顕著な約15%の製品で出荷を抑えている。担当者は「価格転嫁できるか見通せず、仕入れのペースを落としている」と説明する。
シンナーの調達不安が続くなか、メーカーは買いだめ防止のため前年実績以上の購入や新規顧客からの注文を制限している企業も多い。3〜4月に比べ足元では原材料調達は改善傾向にあり、6月に入ってからはシンナーを使う現場への供給量も回復しつつあるもようだ。
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