そういうとこだぞ[後編]
こんにちは。いいねや反応ありがとうございます!┏○
【注意書き】
■某掲示板の甚爾/髙羽/日車が高専の同期だった世界線を参考にしたIFストーリーです
真面目にこの御三方が好きだったので、神スレありがとうございました
■掲示板の内容を参考にしたり、自分の解釈を突っ込んで居います
■腐界隈の人間が書いて居るため、苦手な方はご注意いを
■術式などしっかりと理解していない点がある為、ツッコミ所が多々あるかと思います。ノリで凌いでください。
■髙羽さんにギャグ要素ありません。
□甚爾さん、日車さんの過去捏造
□オリジナル呪霊有り
→なんでも許せる方向け( .. )
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8.side甚爾
3階の天井に游雲を使って穴を空けると、同時に「わーーー」と声が近づいてくる。
落下物をギリギリで躱すと、俺の足元で髙羽がうつ伏せになって床にめり込んだ。
「いや、何でだよ。」
先程の雰囲気を返せと言わんばかりに、髙羽の尻を踏みつける。
「とーじ君、今日俺のケツしか狙ってなくない?」
「…ご所望なら頭でも良いぜ?」
「おしりの方でお願いします…。」
「……。」
どうも、髙羽と話していると調子が狂う。
「そもそも、お前4階見るのに時間かかり過ぎじゃ…」
言い終える前に、天井が崩れる音がする。俺が開けたのとは別の場所だ。音がする方を見ると、白い汚れたワンピースを着た、髪の長い女が立っている。ただし、身体は血の気が引いた青紫色をしており、顔も前髪で見えない。
「「ゴ…ッ…ゴハ…ン……フ……エタ……。ヨ…ンツ…ヨン…ツ。」」
明らかに今までの呪霊とはレベルが違う。
「「…タク……サ…ン……タベ……レテウ…レシ……イネェ……。ウレ…シ…イネ-。」」
訳の分からん言葉を発しながら、だんだんと女の口元がニヤけていく。発する言葉は2人で同時に話してる様に、音が2重に聞こえる。
前言撤回。
「お前 、初っ端からアイツとエンカウントして良く生きてたな。」
「とーじ、まじ来てくれありがとうー!!」
腰にまとわりつく髙羽。力のかかり具合といい、制服は所々破けており汚れて居るが、とあえず大怪我はしていない様だ。
「何か血みたいなの飛ばして来るし、引っ掻いて来ようとするし、病院だしめっちゃ怖かったー!!」
「……。」
「ちょっと、無言で剥がそうとしないで!」
「とりあえず、分かった情報を教えろ。」
髙羽は腰から剥がれると、しっかり立ち上がり相手を見据える。
「血みたいの吐いてくる…多分掛かったら危ないと思う。血が掛かった木の机が溶けてた。後、爪も刃物みたいにスパスパ切れる。後は…」
こいつ、本当に良く生きてたな。
「後は、動きがめっちゃ速い。けど…」
女の呪霊が段々と前屈みになる、
「とーじより、速く無かった。」
ご自慢の爪を延ばして、襲いかかってくる。 丁度、俺と髙羽の中心だったので、 左右に別れて躱す。いや、躱した筈だったが、俺は右側の脇腹辺り、髙羽は左の胸辺りの制服が破けた。お互い、身体まで刃は入って居ない様だ。
「確かにスピードはそんなんでもねーが。」
「うん、爪で攻撃される時に見えてる方向と、切れる方向が違うんだよね。しかも1回しか攻撃されてない筈なのに、2回攻撃来るし!」
「それを先に言えよ。」
「順を追って話してるんじゃんさ。」
「おい、避ける時にギリギリで躱すなよ。距離取れ。」
「うん、分かってる。」
体制を立て直し、女と再度距離を取る。
「「…アタ…ラ…ナイネ…、アタラ…ナイ……。」」
何を1人でぶつくさ言ってんだ?
「「……オナ…カ……、ス…イタ……。ソ…ッソ……ロソ…ロ……、タベ……タィ…ヨ……ウ。」」
食べるって、俺と髙羽か?コイツが言ってる飯とやらは。
「「…ヨン…ツモ、……ア…ルカラ。モウ、ダ……イジョ…ウ……ブ…。」」
そうだと過程しても、ヨンツって何の事だ。
「おい、髙羽。」
「なに?」
「アレ、お前と会った時からずっと話してるか?」
髙羽は少し考える素振りを見せる。その間も女からは視線逸らさない。呪術師として、夜蛾の教育は身に付いて来ている様だ。
「サン…ツになったって言ってた…また増えたって。ずっとイチツだったのに、ニツになった。今度はサンツって。」
「俺と合流して?」
「ヨン…ツって…。」
少し状況が変わってきた。それに髙羽も気づいた様だ。それと同時に女は血を口から出し、吹きかけてかけてくる。
「汚ぇな、おい。」
「床!溶けてる、溶けてる!!」
「「…ゴハ…ン……。ゴ…ハン!!」」
先程、単調だった動きが連続の動作に変わる。相手の攻撃を躱しながら、髙羽に伝える。
「確実に飯は俺らの事だな。」
「でも、それなら数おかしいでしょ!ヨンツって4つの事でしょ?俺たち3人だよ!?」
「居るって事だろ、コイツが管理してる飯が俺ら以外に1人分。」
「そんなっ!って……どう言う事?」
女の呪霊の爪が振りかぶる前に腕を掴み、そのまま後ろに回って蹴りを入れる。吹っ飛んだ呪霊は壁に当たるが、直ぐに体制を立て直してくる。
「例えば一般市民。廃病院なんて丁度良いだろ肝試しに。ただ、その場合は1人で来る事なんて有り得ねぇ。何人かは既にコイツに喰われてる。」
「ヒィ、」
「2つ目、呪術師。捕まってるとか、閉じ込められてるとかだ。ただ呪術師なら覚悟決まってんだろ、自分で責任持てって話だ。」
「辛辣!」
「3つ目、呪詛師。金や名誉と引き換えに依頼を受けて、自分自身も餌にされてる事に気づかない馬鹿野郎とかな。」
「そんな事ある!?」
女は今度は髙羽目掛けて攻撃を仕掛ける。マタドールよろしく、どこからか出した赤い布で女の攻撃を避ける。
「馬鹿!」
が、避け方が甘い。女は透かさず口から血を吐き出し、髙羽にかける。咄嗟に駆け寄るが、さすがに間に合わない。
「髙羽!!」
出していた赤い布で防ごうとするが、それで対応出来る程甘いもんじゃ無い…。
と思っていたが、血が布に掛かった瞬間、血が女の方へ跳ね返る。
「撥撥水加工済だ!愚か者!!」
血は女に返りワンピースに掛かったが、自分の攻撃だから効くわけねぇよな。
駆け寄った勢いで髙羽を回収し、再度女と距離をとる。
「あ、クリーニング代請求しないでね。」
「……。」
「とーじ!もし、4人目のご飯が一般人の方だったら助けないと!!」
避け方にも呆れたが、まぁ、髙羽らしいと思う。そして、一般人の人間を心配する所もだ。
「先ずその特級、状況を整理すると自身が管理出来るフロアに制限がある。」
「そ…その心は?」
「お前とエンカウントした時に、3つになったんだろ?それから、俺とあった時に4つ。」
「あ。」
「だったら、2つ目は日車。アイツが向かったのは地下だし、俺らより先に地下に着いただろうから、必然的に先のカウント対象になる。んで、ここの女が管理出来る範囲は、自身が居るフロアと地下って事になる。」
「それだと、4階か3階にもう1人が居る対象にならない?」
「ない。髙羽と遭遇したのが4階、俺とは3階。もし3階が管理の対象の場合にもう1人が居るなら、髙羽と遭遇した時に2つで、俺と遭遇した時は3つだ。地下に居る日車はカウントされない。だから必然的に1階~4階に1人は居ねぇ。」
「…理解した!とーじが言うことを全面的に信じる!!」
本当に理解したのかよ…と疑う部分はあるが、今はそんな事を気にしている場合ではない。女の攻撃は腹が減ったと、雑に強くなってきている。
「後は、もう1人が何者かの想定に、一般人と呪術師は含めなくて良い。」
「何で!?」
「そもそも考える必要がねぇんだよ。敵じゃねーからな。ほっといても俺らが攻撃される影響は無い。」
「他の呪霊に襲われるかも知れないじゃん!」
「特級呪霊が同じ建屋に2体以上共存してる何話は聞いた事ねぇ。仮に地下に呪霊が居たとして、強くても1級が精々だ。」
「確かにそうだけど…」
「んで、地下に居る奴を日車が救出して、俺らがこの特級を倒せれば任務完了だ。」
そもそも、特級呪霊と遭遇する事自体イレギュラーだ。そう何体も居てたまるかよ。禪院 の奴らはどうしても俺を始末したいらしいが、喧嘩を売られたからには、逃げ出す選択肢は無い。
「だが、呪詛師は完全に敵だ。もし地下で日車がエンカウントしてたら今は”1対呪詛師”と”2対特級呪霊”でやり合ってる状況になる。」
「でも、ヒロミちゃんの術式なら対人向けだから、むしろ有りなんしゃないの!?」
「相性で考えればな。」
今が最適な組み合わせではある。だが、気がかりはい幾つもある。
「先ずはこの特級がいつまでココに留まってるかも分からねぇ。」
「ずっと、お腹空いたって言ってるもんね。」
「先ず特級を潰すのが最適だ。が、何か引っかかる。」
「…?」
「2重の斬撃とその斬撃の軌道が変わる事だよ。しかもさっきからボディに何発か本気で入れてるのに効いちゃいねぇ。」
殴っては避け、攻撃されても避ける。それを繰り返していると、特級は痺れを切らしたのか状態を伏せると、そのままこちらへ突進してきた。
「「…タベ…レ……ナィ…!サ…ンツ……ヨ…ン…ツ……タベレナイ!!」」
「ぎゃゃゃゃゃゃゃゃァ!四足歩行になったー!!」
特級の動くスピードが先程よりも上がる。壁や天井に張り付きながら、斬撃を繰り出してくる。
俺は問題ない。でも、髙羽はややスピードについて来れていない。特級もそれを分かってんのか、狙いが髙羽に集中力する。
「やばいやばいやばいやばい、どーしよ!!」
「モノボケでも、お得意のギャグでも頭捻ってなんとかしろ。」
「雑!!」
髙羽に関しては下手に心配するより、どんな時でも適当に弄ってた方が良いと気づいたのは、1ヶ月という短い付き合いの中で学んだ攻略の1つだ。
そうは言っても、俺も動かない訳には行かない。游雲を特級に叩き込み、壁にめり込ませる。
「スピードもだが、外が硬てぇ。」
特級が口を開けたのを見て、再度後ろに跳び距離を開ける。
その時、後方からガラガラと大きな音を立てて何かが迫ってきた。
「先生!急患でッーーーーす!!」
ストレッチャーを勢い良く押してくるナース服姿の髙羽…。特級が壁から離れる前に、ストレッチャーを勢いままに押し出し、更にスピードを加速させている。
ドゴッ、
ストレッチャーは特級を更に壁へと食い込ませ、特級は上半身を折り曲げストレッチャーに伏せている…。
俺の打撃より効いてるのが解せない。
「患者が乗ってたら、トドメ刺してんじゃねーか。遺族から訴えられんぞ。」
「Dr.TOJIがなんとかしてくれるって信じてる。」
「生憎俺は殺る方専門なんでな。服戻せ、勝手に白衣着せんな。」
また髙羽のペースに載せられていると、ストレッチャーが音を立てる。いや正確には、特級が上半身を起こした。
「「タ …ベレ…… ナァイ…。オナ…カ……ゴハン…ゴハン……。ズット…ガマ…ンシ…テタノニ。」」
少しず左右二身体を揺らし、またブツブツと言い始める。
「…ソウ…ダ……。」
何かを思い付いたのか、身体の揺れが止まった。
「 ァ…アレ…ヲタベ…ヨ…。ズ…ット…オイ……ト…イタヤ…ツ…。」
「…ウン。ソッ…オソシ…ヨォ…。」
重なって聞こえた声は無くなり、2人の人物が会話をしている様に話し出した。そして、その瞬間に特級の身体が分裂した。
「ちょっ、増えた!!幽体離脱!!」
雰囲気が変わり、特級の呪力量が増すのか分かった。
おそらく、この状態がコイツの完全形態だ。
「髙羽、遊びは終わりにするぞ。」
コイツは一体の時に片付けて置くべきだった。
声が2重だったのも、1度の斬撃で2回飛んで来たのもそれが理由だろ。
それに、コイツは何を食べると言っていた…ずっと置いといたやつ?
「1つ目…。」
髙羽がポツリと呟く。それと同時に特級も動きだす。
1体目は俺達に向かって、2体目は階段へ向かって。
想定が甘い…いや、俺1人であれば正しい判断だった。
何が ”病院自体が呪霊化しており、術師を吸収して大量の呪力を確保するの想定は、考える必要がない”だ。髙羽と日車と行動してる時点で想定に入れるべきだった。
当たらずとも、元々地下と4階は呪霊の監視下だつただろ。
何が、一般人と呪術師は想定として考え無くて良いだ。現に、そいつが特級に喰われて強化されたらこっちが不利だ。呪術師や呪詛師なら尚更。
階段に向かった奴を俺が游雲で押し返し、髙羽がもう1体を車椅子に乗せて壁に突っ込ませる。
そもそも日車は順調なのか…特級がさっきまで餌の数を感知できて居たのであれば、まだ地下に誰かしらと居る筈だ。呪詛師と対峙の場合は確かにアイツの術式は対人向きだが、敵意を向けて人に使うの初めてなんじゃねぇのか。
そもそも特級呪霊が居る場所に平気で潜伏できる呪詛師だ。馬鹿じゃなければそれなりの実力者の筈だ。もし、領域対策できる奴だったら…
マタドールとかでふざけてた時の髙羽もそうだが、何んで俺が髙羽や日車の事を気にしてんだ。
「髙羽!」
「なにさ!!」
「てめぇも来い!!」
「どこに!?」
游雲を振り上げ床に叩き付ける。足元が崩れて、下の階に進んでいく。
「地下まで床をぶち抜いて行く!」
「おっ、おう!!」
…まぁ、勝手に考ちまうモンは仕方がないか。