気分が乗らない日こそ、腹を満たして寝ろ
【あてんしょん】
■某掲示板の甚爾/髙羽/日車が高専の同期だった世界線を参考にしたIFストーリーです
真面目にこの御三方が好きだったので、神スレありがとうございました
■掲示板の内容を参考にしたり、自分の解釈を突っ込んで居います
■腐界隈の人間が書いて居るため、苦手な方はご注意いを
■術式などしっかりと理解していない点がある為、ツッコミ所が多々あるかと思います。ノリで凌いでください。
■ギャグ時空の髙羽は居ません(お笑いムズい)
■甚爾と日車は未だ不仲です
□甚爾さんの過去とキャラクターを捏造しています。
□髙羽さんにギャグ要素ありません。
□甚爾と髙羽がただ話してるだけの回です。
→それでもよろしければ( .. )
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0.side甚爾
「甚爾、お前東京の高専に入れ。」
15の年、禪院家当主が25代目から26代目に変わった。俺が高専に入る事になったのは、26代目となった伯父の直毘人の気まぐれが原因だ。
禪院家に非ずんば呪術師にあらず 呪術師に非ずんば人に非ず
「(禪院家に居ても…何もねぇな。)」
「返事は?」
「行ってやるよ。」
「そうか。餞別だ、游雲をもってけ。」
禪院家の家訓を思い返し、直毘人の言葉を聞き、口元の傷を指で確かめる。面倒だが時間潰し位には丁度良いと表向きには承諾の返事を返した。
ジジイとの話しが終わり、自室に戻る。人の気配は溢れているのに、誰も俺を視野に入れる事はない。
身体がでかくなるに連れ、自身の天与呪縛の使い方を理解した。すると力のある者以外、禪院家の人間は俺に近づかなくなった。いつの間にか、自身の裁量1つでこの家を壊せる事に気が付いた。
ただそれに気付いた時には、禪院家を壊滅させた所で意味を成さないのだと知ってしまった。
もし、五条家のガキの様に相伝の術式を持って産まれてくる事ができれば、何もかもが異なって居たのかも知れない。
いや、現時点で禪院家の誰もこの術式を所持していない。それならば、十種影法術が使えなくても、何か1つだけでも…
呪力量が多ければ、
呪力操作や結界術に長けていれば、
まともな術式を持っていれば、
領域展開が使えれば、
考えても無駄な事が脳内を巡る。
─ガキだった時に突っ込まれた、無数の呪霊を飼う地下の牢も
─雪の日に締め出された時に使っていた、樹洞も
─実の息子を受け入れられないと言っていた母が、死に場所に選んだあの河も
見なくて良いなら、それに越した事は無い。
禪院は既に、俺の居場所は無い。
1.
翌年の春、東京。
あの忌々しい家から解放された。ジジイの会話を表向きとすると、向こうが俺を持て余し、京都ではなく東京の高専に押し付けたのが本当の所だろう。
住居は学校の寮が与えられ、4年間新たな家になる。
大した期待も希望もなく、ただ与えられた4年間を過ごす。
禪院から離れられる…それだけで良いと思っていた。
京都から東京へ移動し、高専の教員室へ足を運ぶ。高専に着いたら寄れと言い渡されいたからだ。
「よく来たな。疲れただろう。」
「べつに。」
夜蛾正道、1級呪術師。コイツが俺の担任になるらしい。
「それなら良い。明日から、授業が始まる。遅れるなよ。」
「へいへい。」
「それから…」
「なんだよ。」
「後2人、甚爾と同級になる。2人共一般からの推薦なので、お前が色々と教えてやってくれ。」
「……。」
返事はしなかった。俺がそんなことをする義理は無い。
ただ、一般からの推薦と言う事は、少なくとも何らかの術式は持っていると言う事は分かった
ポトポトと何かが腹の内に溜まってく。
翌日、教室の戸の前に立つ。時間は夜蛾センから指定された2分前だ。
指示された教室に入るべく戸を開けると、見知らぬ顔が突然目の前で大声を張り上げてきた。
「俺!髙羽史彦!!」
「近ぇし、うるせぇ。」
相手の顔面を掌を鷲掴むと「痛い痛い!!ギブギブ!!」と俺の手首を掴みながら更に音量を上げる。
「離してやってくれ、彼は自己紹介をしただけだ。」
教室の中に目を向けると、手元の本から顔を上げることなく席に座っている人物がもう一人。そちらに気を向けていると、少し緩んだ手から髙羽が逃げ出す。
「突然だったもんで、驚いてつい…な?」
冗談めかして両手を上げる。髙羽を見ると、もう一人の椅子の背に逃げ込みこちらを伺っている。
「どの様な理由があるにせよ、先に手を出した方が負けだな。」
制服のボタンを首元まできっちり閉め、無表情のまま三白眼で今度はこちらに目を向けられると、視線が合う。
「日車寛見だ。」
「…禪院甚爾。」
名を言い終わるとまた視線を本に戻した。そのまま少しの沈黙を続く。
ガタッ!!
それを破る様に突然勢いよく髙羽が立ち上がる。
立ち上がった反動で日車が座っていた椅子に身体が当たり「痛い。」と抗議をするが、高羽はそのまま此方に向かい歩き出し、俺の右手を取るとそのまま日車の近くまで移動した。
「俺たち今日から同級生だ!」
中心に立っていた髙羽は俺と日車の肩を組んだ。
「よろしく!とーじに、ヒロミちゃん!!」
別に抵抗しようと思えばできたかも知れない。ただ、その発想が出てこなかった。初対面で図々しい奴だと思ったが、嫌悪感は一切なく何故か髙羽の行動を受け入れた。
「だからその呼び方はやめてくれ…」
「えー、いいじゃん!」
横から眺めていると、日車にも感情は備わっている様だ。あまり表情筋は動いてないが、声色は変わるらしい。
「お前ら、何やってる。席に座れ。」
いつの間にか教室の入口に来ていた夜蛾の言葉で俺と髙羽が席に戻った。
2.
初日は実力把握を実施すると言う夜蛾の言葉で、やる気は一気に削がれた。いや、元々無かったから問題はないのだが。
しかも初めは筆記とか…やってられるか。よし、サボろうと決意を固め、寝に入る。せっかく2時間も時間があるのだ、有効に使うに越した事はない。
「甚爾、寝るな。筆を動かせ。」
「意味ないだろ、こんなの。あんたに必要だとしても、俺には必要ない。」
「意味が無い事はしていない。」
「ま、座学コレに関しては0判定でいいんで、終わったら起こしてくださいよ、夜蛾センセ。その代わり、他のは適度にやりますんで。」
夜蛾はため息を付くと、それ以上話しかけて来なかった。
「(いいのかよ、それで。)」
それから2時間後、次は身体力のテストとの事で外に出された。動き易い服装と言っても、制服の上着を脱いだ程度だ。
「今から俊敏性、跳躍力、脚力、柔軟性、持久力の確認を実施する。但し、動きは呪力で賄っても構わない。呪力操作面の確認も並行して行う。」
夜蛾の言葉で、また腹の中の存在に意識が向き始めた。
「先ずは、脚力…短距離走だ。50mの秒数を測定する。先ずは甚爾。」
「へいへい。」
言われるがまま、スタート位置に移動する。50mなんて、一瞬の距離だ。本気を出す前に着いちまう。
「よーい…GO!!」
夜蛾の合図でスタートし、やはりtopスピードになる前に…案の定だ。
1秒切れていないダサい記録で、俺の順番は終了した。
日車は、呪力強化でスピードを補った走りを見せた
「意識的か?」
「…ッ……呪力…?を使用した事を指すのであれば、意識はしてます。」
意図的に呪力を集中させる筋肉を調整。部位の変更と呪力の配分…それをやってるのか、ただの一般出の奴が?
夜蛾との話しが終わった日車と目が合う。
─呪力量が多ければ、
─呪力操作や結界術に長けていれば、
「史彦…」
「はい!」
「やり直し!!」
「何で!」
「呪力使用は可能と言ったが、術式を使用して良いとは言っていない。馬鹿者!!」
─まともな術式を持っていれば、
髙羽はやり直しこそしたが、術式で俺を負かしにきた。
ポトポトと腹の中に溜まってく。
溜まっているものの容量が増えていく。
ソレを残して、身体力の確認は終了した。
「最後は技術力…お前達の術式や戦闘スタイルを確認する。方法は1対1のシングルマッチ形式。呪具や道具の使用も可能だ。戦闘不能にするか、場外にしたら終了だ。」
最後の技術把握は、溜飲を下げるに適した内容だったと感じていた事に、後から気付いた。
「初戦は甚爾と史彦!中央の位置へ。」
殺さなければ、何でも良い。夜蛾の証言は取った。俺は宣言通り、髙羽の急所に一発入れて終了させるつもりでいた。
スルッン…ッ!
拳が髙羽の鳩尾を捉えようとした瞬間、髙羽の身体から拳が滑り、逆に体制が崩れそうになり、体制を整える。
「ローション滑り台だ!!」
「!?」
体制の立て直しが完了したと同時に、髙羽が楽しそうに言うや、足元には滑り台とローションが出現し…ローションのせいで踏ん張りが効かず、そのまま場外となった。
ふざけてやがる…怒りを通り越した呆れは、髙羽の勝利宣言後に一発入れておいた。
「次、史彦と寛見。」
俺と入れ違いに日車がエリアに入ってく。髙羽のふざけた術式を前に、あの生真面目な顔が崩れるのを笑ってやろうとさえ思っていた。
戦闘が開始され、日車が木槌を空中で2回叩く。その瞬間、景色が歪み新しい空間が構築される。
「呪術この界隈では、領域展開と言うらしい。」
「領域展開?」
「呪力によって構築する結界術だ。」
身体の芯が冷える様な感覚さえした。
─領域展開が使えれば、
日車の領域を確認すると同時に、腹の中にポトポトと溜まっていたソレの容量は満たされ、游雲を使用する準備をした。
「次、寛見と甚爾。」
夜蛾の言葉で、開始位置に移動する。
「怪我しても文句言うなよ、日車。」
そこからの俺は全力だった。何と言ったか思い出せないが、「…そうか。」と答えた声が、1音低く聴こえた気がした。
游雲で小槌で弾き、蹴りを呪力でガードされるまでは想定内だった。あとは間を置かずに腹でも顎でも喉仏でも、急所に一撃入れれば良い。幾ら呪力を集中出来る部位を変更出来ると言っても、俺のスピードには着いて来れないと言う自身はあった。
蹴りをガードし、日車が体制を崩した瞬間、そのまま拳を鳩尾付近に入れ、その勢いで床に叩き付けた。完全に入った筈だった。
しかし拳が当たる瞬間、鳩尾に呪力の反応があるのが分かった。
だから言った。
「立てよ、まだやれんだろ。」
息を吸うのもやっとの癖に、それでも弾いた筈の木槌を手に戻して起き上がろうとする。
結局、夜蛾に止められ、その日の予定は終了した。
Comments
- 小夜双☆スカィWebSeptember 4, 2024